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アニゴジ三部作、完結。映画『GODZILLA 星を喰う者』ネタバレ&感想

その〈黄金〉は〈絶望〉すら焼き尽くす

観て来ましたーーーーもちろん、一作目、二作目と同じように劇場で。

たまたまTOHOさんのポイントが溜まってマンスリーフリーパスを持っていたのでラッキーなことに無料で鑑賞することが出来ました・・・!

今作でアニゴジも完結。一体どんなラストが待っているのでしょうか・・・!!

パンフはこんな感じ!!

前面キラキラ仕様、キングギドラとゴジラのバトルを背景にメトフィエスがハルオを抱きかかえているデザイン。46Pで税抜き926円。なんかちょっと高くなってない?

監督の一人である瀬下寛之監督と、大阪大学の教授である理論物理学者の橋本幸士さんの対談コラムが興味深かったです。

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】静野孔文、瀬下寛之
【ストーリー原案/脚本】虚淵玄
【シリーズ構成】虚淵玄、村井さだゆき
【製作】大田圭二
【エグゼクティブ・プロデューサー】古澤佳寛、高橋亜希人
【プロデューサー】吉澤隆
【音楽】
【声の出演([]内は役名)】

  • 宮野真守[ハルオ・サカキ]
  • 櫻井孝宏[メトフィエス]
  • 花澤香菜[ユウコ・タニ]
  • 杉田智和[マーティン・ラッザリ]
  • 梶裕貴[アダム・ビンデバルト]
  • 堀内賢雄[ウンベルト・モーリ]
  • 中井和哉[ハルエル・ドルド]
  • 山路和弘[エンダルフ]
  • 上田麗奈[マイナ]
  • 小澤亜李[ミアナ]
  • 山本兼平[タケシ・J・ハマモト]
  • 小野大輔[エリオット・リーランド]
  • 鈴村健一[アキラ・サカキ]
  • 早見沙織[ハルカ・サカキ]
  • 諏訪部順一[ムルエル・ガルグ]
  • 三宅健太[リルエル・ベルベ]
  • 堀越富三郎[ダイチ・タニ]
  • 柳田淳一[マルコ・ジオーネ]
  • 石谷春貴[ジョシュ・エマーソン]
  • 小松奈生子[管制官]
  • 洲崎綾[管制官]
  • 池田海咲[子供]
  • 浜崎奈々[子供]
  • 浜田洋平[兵士]
  • 佐々健太[兵士]
  • 岩澤俊樹[兵士]

【公開日(日本)】2018年11月9日
【上映時間】90分
【配給】 東宝映像事業部
【前作】『GODZILLA 決戦機動増殖都市』
【IMDB】4.9/10.0  (およそ2500人の評価)

【あらすじ】

武装要塞都市「メカゴラシティ」を起動させてゴジラ・アースに挑んだハルオたちだったが、その過程でガルグやベルベらビサイルドたちと人間たちとの間に亀裂が生じる。また、ハルオはゴジラ・アースに勝てる唯一のチャンスを捨ててしまい、かつてない敗北感に襲われる。その一方で、エクシフの大司教メトフィエスは、ある秘めた目的のため信者を増やしていた。やがてゴジラ・アースに太刀打ちできるものがいなくなった地球に、金色の閃光をまとった「ギドラ」が降臨する。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレするよ!)】

☆2.4/5.0

今回も読者様は過去二作も観てるってテイで書きたいと思います。

…えーとえーと………一作目のちびぞうの評価が3.7、二作目が3.5…そして今回が……えーと(笑)

明らかに評価がただ下がりしてるってことはこの時点でお分りいただけますね!!!!!

ネットで感想を見て回っていても賛否の否の方が圧倒的で、褒めているのは二割程度…といった感じでしょうか。

見事に予想的中

前作の『GODZILLA 決戦機動増殖都市』の感想記事の後半でちびぞうが書いていたことがほとんど大当たり。

アニゴジ三部作、二本目。映画『GODZILLA 決戦機動増殖都市』ネタバレ&感想

メトフィエスはやっぱり邪心崇拝だし、拝む相手はキングギドラだし、ハルオを利用してキングギドラを召喚しようとしていたし…。

さらに、この世界観で怪獣バトルなんてまともにするわけないんじゃ!という部分も大当たり。キングギドラという高次元の存在はブラックホールを通って地球にやってきて、向こうから勝手に干渉してくる…けど、こちらからはそれを認識することも出来ないしゴジラも攻撃できない。という超高次SFバトルが繰り広げられます。キングギドラの圧倒的強さを魅せる演出としては面白いなぁと思うんですけどね!!!

正直、ほとんどの展開が想像通りで…。もっと驚きを期待していたのに…。

THE櫻井孝宏劇場

櫻井孝宏が声優を務める神官メトフィエスの圧倒的台詞量がすごい!!!!!!

モノローグやら心の声やらテレパシーやらやら、あらゆる方法でメトフィエスが語りまくる!!!!観客すらも宗教勧誘しているのでは?というレベルでずっと喋ってるシーンが多い。内容も哲学的だったりカルト的だったり小難しいので、ここらで眠くなった人も多いのではないでしょうか。

メトフィエスの目的とは?

ちびぞうもしっかりとは理解していないのですが、つまりは「意識高く滅亡しよう!」みたいな感じなんですよね。

かつて高レベルの文明を築いたエクシフは、ギドラに自分たちの星を滅ぼされた。彼らには未来を見通すほどの科学力があったけども、滅亡は避けられなかった。

エクシフは悟る。文明の発達は星を痛めつけ、その結果ゴジラという怪獣が登場し、最後にギドラが全てを喰らおうと出現する。その流れが全て、星の運命であり、生命はその滅亡の先にこそ希望を見出す。高次元の存在であるギドラに身を委ね合一することで、滅亡の先の希望に導いてもらおうとする。

そのために全力で運命に抗い、ゴジラを倒し強く生きようとするハルオという強いリーダー的存在が必要で。彼を筆頭に人類をギドラ崇拝へ導こうとする。

ギドラ様万歳!人類、地球、ゴジラをまるごと供物に捧げるよ!

って感じですね。

なんとなく分かってたから、あやっぱそう?って感じですが。

結局どうなった?

ハルオは当然、そんな病んだ思考の宗教には屈しません。メトフィエスの説得を拒否!
マーティン博士やフツアの民の力でギドラを倒す方法を伝えられ、メトフィエスの右目に埋まったガルビトリウム(この目を通じてギドラの視界を見たりハルオと精神世界で会話したりしていた?)を破壊!

すると今までこちら側からは干渉出来なかったギドラの物理法則が乱れ、ゴジラの攻撃が効くように!!!!!見事ゴジラによってギドラは撃退され、メトフィエスはハルオの腕の中で死ぬ。

そして生き残った人類はフツアの民と一緒に原始的生活を始め、ハルオもマイナとの間に子供を作る。
しかしある日マーティン博士が脳死状態になっていたユウコの体内からナノメタルを抽出し、それを使って残っていたヴァルチャーを一機、起動させる。
これでまた文明を取り戻せると喜ぶマーティンに対し、ハルオは決意を固める。

「人類が文明を求める限り、また同じ運命の轍へと戻ってしまう」その危険なループを回避するため、ハルオはユウコを連れてヴァルチャーでゴジラに特攻、自滅する。

自殺にも見えるラストではありますが、ハルオはフツアの民がゴジラを憎んでいないからこそゴジラと共存し地球で暮らしていけると察したようで「ゴジラを憎んでいる最後の人間」である自分と、ナノメタルを体内に保有しているユウコ、そして最後に残ったヴァルチャーを一緒に滅ぼすことで「自らの手で」「あの瞬間の地球を守った」ということなのだと思います。

一緒に観に行った友人は「原発反対!原始生活万歳!って言いたいだけ」って言っていたんですが、ちびぞう的にはそんな単純な話ではなかったのかなーと。

途中の宗教的な内面を掘り下げていく脚本はわりかししつこいし、展開に対する驚きもあまりなくて3部作の中では一番ガッカリしてしまいましたが・・・このラストだけは腑に落ちるかな、と。

ギドラが紐

これは完全にちびぞうの好みの問題だと思うんですけど、ギドラのデザインね・・・デザインって言えるほど全身出てないしね・・・。ブラックホールからにゅるっと出てくるギドラがゴジラに襲い掛かるんですけど、どうにもこうにも「紐」にしか見えないっていう・・・。

高次元怪獣という設定がおそろし素晴らしかっただけに、なんとも残念でした・・・。(メトフィエスの目をやられただけで攻撃できるようになってしまうしなぁ)

まとめ

怪獣たちのバトルが見られる!!!!!と思って期待すると痛い目みますよ!

パンフにも書いてありましたが「怪獣バトルはメインにしないように作ろう」と最初から決めていたようですし、そもそも「人間ドラマを描いて欲しい」と依頼されて始まった企画だったみたいです。

哲学だったり科学だったり、人類への警鐘だったりと深いメッセージをこれでもかとネチネチ語ってくるとても内面性の強い映画なので、人を選ぶ部分があるのは仕方ないかもしれませんね・・・。

シリーズトータルで考えると、怪獣に新しい意味を見出したり、今までと違った解釈で怪獣をリデザインし街にしてみたり次元の違う存在にしてみたりと新鮮で面白いゴジラ映画かなと、ちびぞうはけっこう好きなんですよね。

特に一作目のラストのゴジラの咆哮は素晴らしく、映画館で観て良かったなと思えたほど。

三作全て劇場でとは言いませんけども、一作目だけでもぜひ見て頂きたい。

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大人のための寓話。映画『素晴らしきかな、人生』ネタバレ&感想

「見逃さないで、その先の―――幸せのおまけを」

近年はウィル・スミスの出ている映画はなんとなーーーーく地雷感が漂うと言うかなんというか・・・。なかなか手が出しにくい雰囲気が漂ってますよね。うまく説明できないけど。

『アフター・アース』とかそういうのがあったからでしょうか(笑)観てないんですけどもね(最悪か)

同音のタイトルで『素晴らしき哉、人生!』という古めの作品がありそれのリメイクかなと思ったんですが、おそらくそれとは無関係ですね。

エドワード・ノートンやキーラ・ナイトレイ、ケイト・ウィンスレット、ヘレン・ミレンなど、脇を固める俳優陣の一人一人が主役級でとっても豪華!!!

監督は『プラダを着た悪魔』『31年目の夫婦げんか』などのデビッド・フランケルさん。コミカルでハートウォーミングなお話が期待されますね!

【映画情報】

【原題】 Collateral Beauty
【制作国】アメリカ
【監督】デビッド・フランケル
【製作】バード・ドロス、マイケル・シュガー、アラン・ローブ、アンソニー・ブレグマン、ケビン・フレイクス
【製作総指揮】トビー・エメリッヒ、リチャード・ブレナー、マイケル・ディスコ、マイケル・ベダーマン、アンカー・ルングタ、ピーター・クロン、スティーブン・パール、ブルース・バーマン
【脚本】アラン・ローブ
【撮影】マリス・アルベルチ
【美術】ベス・マイクル
【衣装】リア・カッツネルソン
【編集】アンドリュー・マーカス
【音楽】セオドア・シャピロ
【音楽監修】ジュリア・ミシェルズ、デイナ・サノ
【出演([]内は役名)】

  • ウィル・スミス[ハワード]
  • エドワード・ノートン[ホイット]
  • ケイト・ウィンスレット[クレア]
  • マイケル・ペーニャ[サイモン]
  • ヘレン・ミレン[ブリジット]
  • ナオミ・ハリス[マデリン]
  • キーラ・ナイトレイ[エイミー]
  • ジェイコブ・ラティモア[ラフィ]

【公開日(日本)】2017年2月25日
【上映時間】94分
【配給】ワーナー・ブラザース映画
【映倫区分】G
【IMDB】6.8/10.0  (およそ66,800人の評価)

【あらすじ】

ニューヨークの広告代理店で成功を収め、華やかな生活を送っていたハワードだったが、最愛の人を失ったことで大きな喪失感を抱く。完全に人生を見失ってしまったハワードを同僚たちも心配していたが、そんなある時、ハワードの前に年代も性別も異なる3人の奇妙な舞台俳優たちが現れる。彼らとの出会いにより、ハワードの人生に徐々に変化が起こっていく。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.3/5.0

うううううううううううん・・・!

正直、クサいです。台詞回しがとっても、舞台調・・・というか、ドラマチック。

でも、人生への名言はたくさんありました。そこは認めたい!

思ったよりコミカルなハートウォーミング感は少なかったかな・・・。

おおまかなストーリー

6歳の娘を亡くした社長(ハワード)が腑抜けのようになってしまった。
毎日出社してもドミノを積んでは倒すだけ。更に「時間」「愛」「死」という概念に対して手紙を書くほどに、正気を失っているように見える。

このままでは会社の運営も怪しい!同僚であり部下でもあり家族、友人でもある社員3人がなんとかハワードに元に戻って欲しいと奮闘する。

その方法は、ハワードが手紙を書いていた「時間」「死」「愛」という抽象的概念を擬人化し、劇団員に演じさせてハワードと交流させようという作戦。

彼らはエキストラも巧みに使い、劇団員は他の人間には見えていない、という状況を作り上げることでハワードに”本当に「時間」という概念が擬人化して話しかけてきた”と思わせることに成功する。

そして、劇団員との交流を通して、ハワードは「愛する人を亡くした人のためのセラピー」に通いだしたりと前向きな変化を見せる。

それぞれの社員3人は、

ホイット(エドワード・ノートン)は娘との愛の問題で悩み、
サイモン(マイケル・ペーニャ)は余命僅かで死にかけていて、
クレア(ケイト・ウィンスレット)は子どもを産めるタイムリミットと戦っている。

彼らも、それぞれの愛、時間、死の役者と交流する中で己の悩みを解決していく。

現実を見ようと決意したハワードが、3人に投げかける言葉も、彼らの悩みを解き放つ役割をしている。

ラスト、セラピー先で出会ったと思われていた女性が実はハワードの元奥さんであり、亡くなった娘の母親だったという事が発覚。ハワードもそれを認めることができ、最後にはずっと言えなかった娘の名前と、亡くなった理由を話せるようになる。

公園を歩くハワードを見守る3人の劇団員。しかし、振り返ると彼らはいなくなっている。

大人にとっての寓話

と題したのは、最初こそ劇団員として登場した3人に、「この作戦を手伝ってくれれば舞台に資金を出そう」と言ったり「守秘義務に関する契約書」に契約させるシーンもあって、”現実に起きていること”だと思いながら観れるものの、後半に進むにつれて登場する劇団員が「彼らは本当に”愛”であり”時間”であり”死”だったのではないか」と観客に思わせるような演出があるからなんですよね。
ハワードの奥さんが、娘が亡くなる前に会った老婆が「死」の役者だったりとか、ラストで3人が消えると言う演出もそうですし。

ラストに用意されているどんでん返しも上手く効いてる!

絵本の中で本来なら喋るはずもない動物が喋ったり、風や火や水なんかの生き物でもないものがキャラクターととして登場し、子ども達に大切なことを教える。それと同じことが、大人向けに起きる映画なのかな、と感じました。

名言がいっぱい!

愛について、時間について、死について悩むひとたちに向けてたくさんの名言がありました。

「見逃さないで、不幸のその先の幸せのおまけを」
「見方一つよ。完全に死ぬものなんて何もない」
「娘に父親であることを許可してもらう必要はない。娘は君の一番の宝だ。だが、明日があると思うな」
「子どもは自分が産まなくても良い。時間との戦いはまだ終わってない」

などなど・・・

基本的に、台詞回しが普通の映画っぽくなくて、少し難解というか。詩的というか、哲学的というか。
なんというか、私たちの日常にはあまりなじまない言葉遣いであったり、会話なんですよね。

だからこそ寓話というか。

まとめ

この、少し日常と離れたファンタジーさもある作品をすんなり受け入れられるかどうかが感動できるポイントだと思います。

ちびぞうは、場面によっては感動したり、ちょっと引いた目で見てしまったりと、ブレがあったかな。すっごくよかった、誰かに見せたい!とは思わないですね。良いこと言ってるのはわかるけど。良いこと言ってるでしょ?ふふん感が強いと言うか・・・(ひねくれ)

 

もしかしたら観る人の状況によっても大きく感想が左右されるかもしれません。例えば、6歳の娘がいる親御さんとかは、ものすごく感情移入してしまうのかも。

 

そういえば、ドミノはどういう意味を持っていたんだろう。一度倒し始めてしまったら止められない運命の残酷さとかを表現していたんだろうか。でも、ドミノって倒すことで完成するものだと思うんですよね。必ずしもそれがネガティブなイメージを持っているアイテムではないと思うし・・・難しいな。誰かこの映画における”ドミノ”の意味は一体なんだったのか。分かる方がいらっしゃれば教えて欲しいところです(;;)

 

 


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ネタバレ厳禁の新感覚ホラー『ダークレイン』ネタバレ&感想

雨に紛れてヤツらは来た―――

「面白いかは別として珍しいオチの映画がある」「これは予想できない」と複数の映画仲間さんから「あんまり面白さは期待しないで。でも観てほしいの><」と控えめにオススメされた今作。

メキシコ発のホラー・スリラーということですが・・・ジャケットからは、頭のおかしい家族が監禁する(もしくはされる)系かな?と予測。

ちなみに同監督の作品は一つも観ていないため、どういう作風なのか全く予想がつかない状態で鑑賞しました。

【未体験ゾーンの映画たち2017】の作品ということで、少し不穏な空気は漂いますね・・・(笑)

【映画情報】

【原題】Los Parecidos
【制作国】メキシコ
【監督/脚本】イサーク・エスバン
【製作】イサーク・エスバン、ミリアム・メルカード
【製作総指揮】サロモン・スケナシ、ミリアム・メルカード
【撮影】イシ・サルファティ
【音楽】エディ・ラン
【出演([]内は役名)】

  • グスターボ・サンチェス・パッラ[ウリセス(主人公の髭男)]
  • カサンドラ・シアンゲロッティ[イレーヌ(DV夫から逃げてきた女)]
  • フェルナンド・ベセリル[マルティン(チケット売り場の男)]
  • ウンベルト・ブスト[アルバロ(医大生)]
  • ルイス・アルベルティ[警察官]
  • サンティアゴ・トレス[イグナシオ]

【公開日(日本)】2017年1月21日
【上映時間】90分
【配給】AMGエンタテインメント
【IMDB】6.0/10.0  (およそ1,520人の評価)

【あらすじ】

世界中が記録的な豪雨に襲われた夜。人里離れたバスステーションで、偶然居合わせた8人の男女が立ち往生していた。やがて1人の女性がウィルスに感染したような症状を見せ、正気を失ってしまう。ラジオから流れてくる情報によると、原因不明の伝染病で外でもパニックが起きているらしい。彼らは建物から出ることもできず、1人また1人と感染していき……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレしています!)】

☆2.6/5.0

はい、出ましたジャケ詐欺ですねー。

まずこのような場面、このような人たちは出てこないです(笑)

こんなクラシックなお洒落ソファも出てこなければ、そもそも「バスステーションでのワンシチュエーション」ものなんですよ。ものすごく家の中っぽいジャケットですがもう、何から何まで間違ってます(笑)

たまーに、こういう「作ってる人たちは本当に映画を観たのかな?」と疑問に思う邦題だったりジャケットだったりがありますけども、なんでなんでしょうね。

やる気あるんでしょうかね。

ところで、この映画の外国版のポスターはこんな感じです。IMDBから引っ張ってきました。

いやぁハイセンス。どうしてこのクオリティが出せないのかー。

むしろ、このままのジャケットをそのまま使ったって、十分目を引けると思うんですよね。

一体どこが衝撃のラスト15分だったのか?

ぶっちゃけてしまうと、この映画の衝撃を得るタイミングはラスト15分では決してない。

それだけはハッキリと言えます(笑)

衝撃は衝撃ですが、それは爆笑や失笑を誘ったり、人々を困惑させる類のもので、決して「うぉおおおこの映画やばEEEEEE!!!」となるようなものではないです。

相変わらず、アオリも適当だ。やる気あるんですかね。

結論から言うと

雨の降るバスステーションの中で起きる怪奇現象は「全ての人が主人公と同じ髭面になる(正確にはそう見えるようになってしまう)」というもの。

突拍子もない発想そのものは誰しも一度は思いつくような、でもやろうとしないような、そんな感じのもので、しかもそのオチは「宇宙人がやらかしたよ!」という安直なもの。

でも、この映画オープニングがとにかくオシャレなんです。

雨の降るバスステーションを引きで撮っていて、徐々にクローズアップ、そしてタイトルバック。モノクロ映画?と見紛うほどに彩度を限りなく低くした画面もオシャレで、この監督のセンスを感じさせます。

それだけに、うーん。内容がもったいない。

全ての人間が同じ顔になることによって、個性がなくなってしまう恐怖。

言いたいことはなんとなく分かるんですが、宇宙人がそれをする意味も、病気の男の子がオーメンのダミアンばりに覚醒して場を恐怖に陥れる展開も、どうもよくわからない(笑)

(ただしイグナシオは相当な美少年)

そもそも最終的に没個性したことそのものを忘れてしまって、みんながみんな元通りの顔に見えるというなら、最初と何も変わっていないのではないか?と思うのですよ。

だって、今の私たちの顔だって、鏡に映る、触れて分かる、その通りの顔を本当にしているなんて誰に証明できますか?私たち人間がお互いの視覚や触覚を通して認識しているだけであって、別種族(それこそ宇宙人とか)から見てみたら全く違う容貌をしているかもしれない。それこそ、全部同じに見えているかもしれない。

現時点ですでにそうなのだから、映画のラストで没個性(人間すべての顔が同じになった)したということそのものを無かった事のようにしてしまうのはあまりにも意味がないかなと。正直、そこに怖さはないですよね。

それから、笑わせに来てるのか分かりませんが、犬の顔まで髭面になってたあの演出(笑)

本当に必要?狙ってるよねぜったいにね!

人類が、同じになってしまうという恐怖の雨のはずなのに、犬まで人間の顔になるのはおかしいんじゃないかというツッコミをせざるを得ません。

まとめ

ホラーとしてはイマイチ。哲学としてもイマイチ。

ホラー映画で笑えるマニアックな映画ファンの皆様には、ぜひとも登場人物が全員同じ「髭面」になるという奇妙な場面を観て笑っていただきたい。そんな一本です。

ただ、前述したようにものすごくセンスを感じる作品なので、この監督の別作品は追いかけてみてもいいかも!と思えました。『パラドクス』とかね。

 


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攻殻のハリウッド実写映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』アニメ版との比較と感想

 

ついに来ましたねー!!攻殻機動隊のハリウッド実写化です!!!

原作となったのは漫画ですが、1995年に公開された押井守監督の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(こちらの感想も合わせてお読みください^^)から多くのシーンを引用しているようです。私は漫画の方は未見です!

どんなシーンが使われていたかも後でご紹介していきたいと思いますー( ´ސު`)

ちなみに私はアニメ版オリジナルキャストの声優さんたちが声を充てている吹き替え版で観て参りました!

 

パンフはこんな感じです

 

裏面のインパクト(笑)このゲイシャロボのデザインはかなり洗練されていると感じました!

30ページで税抜き667円。押井守監督のインタビューは興味深かったですね。主に映像についてとスカヨハへの絶賛がほとんどでしたが(笑)

このアートワークもかっこよかった!!

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実写化したよ!1995年版アニメ映画『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』ネタバレ&感想

そう囁くのよ・・・私のゴーストが

 

【画像引用元:映画.com】

 

1995年に公開された押井守監督の攻殻機動隊。世界でもファンが多く、映画『マトリックス』へも影響を与えたというすんごい作品です。

 

原作の漫画は未読でございます。その上、私はテレビアニメシリーズのSTAND ALONE COMPLEX(S.A.C.)と、S.A.C. 2nd GIG(しかも途中まで)しか観ていません!!!

今回、ハリウッド実写版が公開されるという事で実写化を観たあとにこちらをDVDにて鑑賞いたしました。

だって再現度が気になったから・・・!

感想の最後に観るべき順番を書いておきます。

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