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大富豪との危険なラブの行方!映画『フィフティ・シェイズ・ダーカー』ネタバレ&感想

心の秘密は、身体が知ってる。

以前書いたこちらの記事の、続編ですねー。今回は劇場ではなくDVDで鑑賞いたしました!

驚愕のボカシ!映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』ツッコミ&感想

暴かれるグレイの過去!危ういプレイに危機感を感じたアナは彼を受け入れられないと離れることを決意する…かーらーの!今作です。

公式サイトはこちら

どうでも良いんですけど、毎回タイトルがカッコいいなぁー。ちびぞうはこういう、原題をそのままカタカナにしたような長ったらしいタイトルが好きなのです。

【映画情報】

【原題】Fifty Shades Darker
【制作国】アメリカ
【監督】ジェームズ・フォーリー
【脚本】ナイオール・レナード
【原作】ELジェームズ
【製作】マイケル・デ・ルカ、E・L・ジェームズ、デイナ・ブルネッティ、マーカス・ビシディ
【撮影】ジョン・シュワルツマン
【美術】ネルソン・コーツ
【衣装】シェイ・カンリフ
【編集】リチャード・フランシス=ブルース
【音楽】ダニー・エルフマン
【出演([]内は役名)】

  • ダコタ・ジョンソン[アナスタシア・スティール]
  • ジェイミー・ドーナン[クリスチャン・グレイ]
  • エリック・ジョンソン[ジャック・ハイド]
  • リタ・オラ[ミア・グレイ]
  • ルーク・グライムス[エリオット・グレイ]
  • ビクター・ラサック[ホセ]
  • エロイーズ・マムフォード[ケイト・キャヴァナー]
  • ベラ・ヒースコート[レイラ・ウィリアムズ]
  • マックス・マーティーニ[ジェイソン・テイラー]
  • キム・ベイシンガー[エレナ・リンカーン]
  • マーシャ・ゲイ・ハーデン[Dr.グレース・トレヴェリアン・グレイ]

【公開日(日本)】2017年6月23日
【上映時間】118分
【配給】東宝東和
【映倫区分】R18+
【前作】驚愕のボカシ!映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』ツッコミ&感想
【次作】フィフティ・シェイズ・フリード
【IMDB】4.6/10.0  (およそ63,100人の評価)

【あらすじ】

大富豪グレイと恋に落ちた恋愛未経験の女子大生アナは、グレイの歪んだ愛を受け止めきれず彼のもとを去った。しかしグレイは、自分が今まで誰にも感じたことのなかった愛情をアナに抱いていることに気づき、彼女に復縁を求める。密かにグレイを思い続けていたアナは、今度は自分から彼に「ある条件」を突きつけるが……。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆2.3/5.0

今回は流石、DVDなだけあってボカシ無し!!!(笑)

前作では、濡れ場での画面の9割が黒塗りになっており「何が起きているのか全く分からない」という状態での鑑賞でしたが、今回はその煩わしいボカシがなくなって非常に観やすくなっていましたね!(笑)

アナ役のダコタ・ジョンソンの体がすっごい綺麗で色っぽいです。シャルロット・ゲンスブールっぽさもなくなってきたしね!(笑)

えー…

今回はアナが出版社に就職したということもあって、グレイさんとの恋愛模様だけでなくアナのキャリアウーマンとしての頑張る物語もサラッと描かれています。

話のおおまかな流れとしては

  • SMプレイを拒絶したアナをグレイさんが「君の無理だと思うことはしないから」と懐柔してくる
  • ちょっと説得されて流されちゃうアナさん
  • SMプレイという過激さは全くない甘々イチャイチャが全面的に描かれる
  • ラブラブな二人の仲をかき回そうとする刺客が何人か現れる
  • ほとんどの刺客が唐突に現れ、アナに暴言を吐いたり拳銃をつきつけたりする
  • 大体はグレイさん(とそのオトモ)が簡単に片付けてくれる
  • 刺客の一人、グレイさんのかつての眷属がアナに拳銃を突きつけるも、グレイさんは彼女を叱ることも非難することもなく「ひざまづけ」と命令し頭を撫でて落ち着かせる
  • そんなグレイさんに「やっぱ無理!」となるアナさん
  • しかし結局グレイさんに懐柔される
  • グレイさん唐突にヘリの事故に遭い行方不明に
  • グレイさんの身を案じるところでアナのグレイさんへの愛が深まる
  • 超絶ロマンチックなプロポーズのシーンが挟まれて、二人は婚約する
  • すると、その幸せな二人に忍び寄る怪しい影が・・・

という感じです。

大体の展開が非常にご都合主義で、唐突で、ちびぞう置いてきぼり!!!

という感じ。

しかし、画面のオシャレさとかロマンチックさは飛びぬけている気もする!!きっと世の女性陣は「あぁ~大富豪との恋愛最高やん~」とうっとりしてしまうかもしれませんね!!

 

…あれ?1のSM契約恋愛どこいった…?

この作品について「SMを治すべき病質として描いている」と批判している方もいらっしゃるみたいなんですが、確かにちびぞうもそれを感じましたね。

過去のトラウマ、不幸な生い立ちからそうなってしまったグレイさん、アナと出会い真実の愛を知って自分の性癖を改善していくという…

うーん、求めているものと違ってきてしまったな…。

そもそも、「自分とは絶対に相容れない性癖を持つ相手」との恋愛の危うさを描いていく話だと思ったんですが、こんなに簡単にグレイさんが「大丈夫!嫌な事もうしないから!」ってなっちゃうとなんだかなぁ…。1→2の話の方向展開も激しい!

トワイライトでも、結局ヒロインのベラがエドワードの方に歩み寄る展開になっていったし、どちらか片方が片側に寄っていく方向でしかまとめられないのかなぁ。

一応、次作で完結、ということですがちびぞうはもはや期待していません。
(ちょっとエロティックなだけの普通の恋愛映画っぽくなってきてるしね)
観るけどね!!!!!

 

この物語で満足いかないよぉ!という方にはぜひぜひ

ミヒャエル・ハネケ監督の『ピアニスト』

危険に歪んだラブストーリー。映画『ピアニスト』ネタバレ&感想

もしくはラース・フォン・トリアー監督の『ニンフォマニアック』

をオススメしますのでそちらをどうぞ!

 

 

 


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画像引用元:映画.com

看守と囚人ごっこで人は狂う。映画『プリズン・エクスペリメント』ネタバレ&感想

人はどこまで残酷になれるのか―――

わーーーーしまった!これまたもアレか!スタンフォード監獄実験のやつか!

『少年は残酷な弓を射る』でファンになったエズラ・ミラーくん(最近は『ジャスティス・リーグ』のフラッシュにも大抜擢されましたね!!)に釣られて大してあらすじも読まず、

「ほうー心理実験のアルバイトね、面白そう!」

と借りてしまいました…が。

これアレです。超有名な2002年のドイツ映画『エス -es-』と同じ、実際にあった「学生を囚人と看守役に分けて2週間完璧に演じさせてみたらどういう心理的変化が起きるのか」というスタンフォード大学の心理実験を元ネタにした映画であります。エスのリメイク版はすでに『エクスペリメント』というタイトルの映画がありまして、「まぁ観たしいいか」とスルーしていたんですけども。

今作は別にリメイクというわけではなく、元ネタが同じ、ということですね。
しまったなぁ、知ってたら多分借りなかったのにな…(笑)

公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】The Stanford Prison Experiment
【制作国】アメリカ
【監督】カイル・パトリック・アルバレス
【脚本】ティム・タルボット
【原作】フィリップ・ジンバルドー
【製作】ローレン・ブラットマン、ブレント・エメリー、リジー・フリードマン、カレン・ローダー、グレッグ・リトル
【製作総指揮】ケイティ・リアリー、ボブ・リアリー、ブライアン・ジェラティ
【撮影】ジャス・シェルトン
【美術】ゲイリー・バルボサ
【編集】フェルナンド・コリンズ
【音楽】アンドリュー・ヒューイット
【出演([]内は役名)】

  • ビリー・クラダップ[フィリップ・ジンバルドー]
  • マイケル・アンガラノ[クリストファー・アーチャー]
  • エズラ・ミラー[ダニエル/8612番]
  • タイ・シェリダン[ピーター/819番]
  • オリビア・サールビー[クリスティーナ]
  • ネイサン・エリス[ジェシー・フレッチャー]
  • トーマス・マン[416番]
  • キー・ホン・リー[3401番]

【公開日(日本)】2017年7月19日
【上映時間】122分
【配給】AMGエンタテインメント
【IMDB】6.9/10.0  (およそ25,600人の評価)

【あらすじ】

1971年8月。スタンフォード大学心理学部のジンバルドー教授は、夏休み中の校舎を利用してある実験を開始する。その内容は、被験者として集めた18人の男子学生たちをそれぞれ9人ずつ看守役と囚人役に分けて刑務所生活を再現し、「立場」や「役割」が人に与える影響を調べるというもの。被験者たちの行動は次第にエスカレートしはじめ暴力が横行するようになるが、教授はスタッフの制止もきかず実験続行を命じる。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.5/5.0

うーん。映画の面白さというより、これも題材の興味深さが勝ってますね。

しかも、同じ元ネタの映画をすでに観てしまっているので、驚きも特になく。基本的にエスと比較しながら観る形になってしまいました。

エスでは確か、エスカレートした看守の暴力がいきすぎて死人が出るところまで行ってしまった感じだったかな?看守役が囚人役に尿をかける、という衝撃的なシーンが非常に記憶に残っておりまして…(笑)映画を観ていて初めてちびぞうがモザイク無しの男性器を確認したのも同作品だったように思います(笑)

それと比べますと…内容は柔らかくなっていますね。今作は、肝心の看守の暴力性が顔を出すまでが早いので実験のせいなのか元々のその人の性格なのかあやふや(一応看守役と囚人約はサイコロでランダムに選ばれるけど)、しかもその暴力性の内容はぬるい(あくまでもエスと比べ)感じになっています。途中で退場も出来るし、さすがに死人は出ませんよ!

まぁ、ベッドメイクを何十回もやり直しさせられたり、理不尽に罰を与えられたりとストレスフルな扱いを囚人が受けているのは間違いなく、観ていて気持ちの良い作品ではないので注意が必要です。

今作は囚人と看守のやりとりだけでなく、この実験を行っている教授本人も「実験に飲み込まれている」という描写があったのが良かった。そして途中でその事実に気付き、「この実験はもう終わりだ」と言いに行くシーンで終わっているのもホッとします。

しかし、本当に恐ろしいなと思ったのは教授が「この実験は終わりだ」と告げても、みんなピンと来てない顔をするところ。そこで教授は「この刑務所は閉鎖する。君たちは自由だ」と言葉を変える。そうするとようやく皆は安堵の表情を浮かべるわけです。

設定に心の底からはまり込んでしまって、現実と虚構の違いが分からなくなってくる…。「役割」が人へもたらす影響力の大きさが垣間見えて、恐ろしくなりました。

逆に言えば、人は思い込むことでいくらでも違う自分になれる…という事なのかな。

今回はこれがマイナスに働く実験でしたが、プラスに働く効果もきっとあるはず。
そんな風に考えないと、怖すぎます。

ちなみにエズラ・ミラーくんは相変わらずいい演技をしていました。

でもちょっと声が特殊で耳に障る感じだったかな…。あんまり叫んでほしくない(笑)

 

 


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画像引用元:映画.com

ホロコーストの有無を法廷で裁く!映画『否定と肯定』ネタバレ&感想

その真実に圧倒される―――

ホロコースト(ユダヤ人収容所でのナチスによる大虐殺)があったのか否かを裁判で決める!?

このとんでもない題材(勿論実話です)の映画に惹かれないわけがないじゃないですか・・・!

レイチェル・ワイズ(ナイロビの蜂)×ティモシー・スポール(ハリー・ポッターシリーズ)の演技派二人の鋭い眼光による演技勝負も見どころです!

パンフはこんな感じ!

赤と黒の二色バイカラーがお洒落!「否定」と「肯定」の二色を表していると思われます…!

原作者でもあり、レイチェル・ワイズ扮するリップシュタット教授本人のインタビューも載っています!
22Pで税込み700円…少し(ページ数が)寂しいですね。

【映画情報】

【原題】Denial
【制作国】イギリス/アメリカ
【監督】ミック・ジャクソン
【脚本】デヴィッド・ヘア
【原作】デボラ・E・リップシュタット著『否定と肯定 ホロコーストの真実をめぐる闘い』
【製作】ゲイリー・フォスター、ラス・クラスノフ
【撮影】ハリス・ザンバーラウコス
【美術】アンドリュー・マッカルパイン
【編集】ジャスティン・ライト
【音楽】ハワード・ショア
【衣装】オディール・ディックス=ミロー
【出演([]内は役名)】

  • レイチェル・ワイズ[デボラ・E・リップシュタット]
  • トム・ウィルキンソン[イチャ―ド・ランプトン]
  • ティモシー・スポール[デイヴィッド・アーヴィング]
  • アンドリュー・スコット[アンソニー・ジュリアス]
  • ジャック・ロウデン[ジェームズ・リブソン]
  • カレン・ピストリアス[ローラ・タイラー]
  • アレックス・ジェニングス[サー・チャールズ・グレイ]

【公開日(日本)】2017年12月8日
【上映時間】110分
【配給】ツイン
【映倫区分】G
【IMDB】6.6/10.0  (およそ12,400人の評価)

【あらすじ】

1994年、イギリスの歴史家デビッド・アービングが主張する「ホロコースト否定論」を看過することができないユダヤ人女性の歴史学者デボラ・E・リップシュタットは、自著の中でアービングの説を真っ向から否定。アービングは名誉毀損で彼女を提訴するという行動に出る。訴えられた側に立証責任があるイギリスの司法制度において、リップシュタットは「ホロコースト否定論」を崩す必要があった。そんな彼女のために組織されたイギリス人大弁護団によるアウシュビッツの現地調査など、歴史の真実の追求が始まり、2000年1月、多くのマスコミの注目が集まる中、王立裁判所で歴史的裁判が開廷した。【引用元:映画.com

【感想】

☆3.6/5.0

「現実は小説より奇なり」という言葉があるように、映画としての面白さというよりかは、この題材になった裁判がとても興味深くて面白いものだったんだと思います。

ちびぞうは大元の裁判については知識ゼロでした。

まさか「ユダヤの大虐殺はなかった!それらは全てユダヤ人のねつ造だ!」と主張する人がいるなんてこの作品で初めて知ったし、驚いた。

しかし、この主張は自分の「教科書で知った」「学校で教わった」「たくさんの映画で語られてきたから知っている」というだけの知識を揺るがすには十分でしたね。本当のところはどうだったかなんて、自分で確証を持つまで調べてみたこともないし、漠然として「そういう歴史があった」と思っていただけの出来事をどうして心から「あった」と信じられたのか。自分でもとても不安になりました。

この裁判の中身は、実は「ホロコーストの有無」を裁くものではなく、ホロコースト否定論者のアーヴィングが「リップシュタット教授の書いた本の中で自分を嘘つきだと誹謗中傷した」という事について訴えたものだったんですよね。

つまり、アーヴィングの否定論が教授の言うように嘘ばかりだった場合、その誹謗中傷も「真実である」と切り返せる。そのために、アーヴィングの主張(ホロコーストはなかった)を裁判で否定する必要がある…しかしこの二者はそれぞれの界隈で非常に著名だったこともあり、ただの誹謗中傷の裁判ではなく「ホロコーストの有無を裁判で裁く」という歴史的にもセンセーショナルな裁判へと発展していくわけです。

ちびぞうは、この映画での「真実がどうだったか」という部分はそこまで大切ではないように感じました。なぜなら、ホロコーストはなかったと否定しているアーヴィング自体が差別主義者であり、他人に敬意を払えない人物…一言で言えば「クズ」のように描かれているから。

観ている人はどう考えても主人公を応援するし、当然裁判の結果だって主人公が勝つに決まってるわけです。つまり、この映画は最初から「ホロコーストはある」として作られている。

では何が大切なのか?

それは、ただの傍観者として情報を得る我々が「何を真実と信じるか」ということ。
情報を取捨選択し、自分なりの結論を出すまでに色々な可能性を考える必要がある、ということなんです。

ネットが普及し、SNS上でも嘘がまかり通る現代にとても合ったテーマだな、とも思いましたね。

印象的だったのは、裁判へ向かうリップシュタット教授へ掛けられる”応援する声”以外にもあった”中傷・避難の声”。いまだにユダヤ人への差別感情を持っている人たちが中傷しに来ている、という場面なのかもしれません。しかし、その後に来たアーヴィングにも、同じように”応援と中傷の声”がかけられる、そして、スーツに投げられる生卵…。

この場面を見てちびぞうは、この二人は、”同じ”なんだ。と感じたんです。

「否定を信じる人たち」からすればリップシュタット教授は悪であり、敵。
「肯定を信じる人たち」からすればアーヴィングは悪であり、敵。

それぞれの人たちにとって、裁判の結果がどうあれ自分たちが信じていることこそが「真実」であり「正義」なんですよね。

今作はアーヴィングが嘘や捏造した情報を見解として発表していたのもあって、結論も分かりやすくなりましたが、もし彼が誠実な人間であり、嘘もなく自分の信じることを「真実」だと発表していたら、一体どうなっていたんだろうと思います。

法廷モノとしてのエンターテイメント性を出すために、終盤、まさかの裁判官がアーヴィングを擁護?するような質問をするシーンがあります。優勢だと思っていた被告側が「まさか負けるの?」と冷や冷やするシーンですね。

しかしちびぞうは、あのシーンは物語を盛り上げるためだけのものではなく、あの裁判官の言葉にも「一つの真実」があったのではないか、と思いました。

まとめ

役者陣の目で語る力、がすごい映画でした。特に主人公のレイチェル・ワイズは裁判の間「黙秘」を徹底しなければいけない役柄上、表情だけでその心情を語っています。

対峙するティモシー・スポールも必要以上の発言はしておらず、多くの場面で表情だけで演じていました。

台詞の少ない二者の演技での闘いも含め、非常に重たい題材で非常に緊張感のある法廷バトルが観られる今作。自分なら何を信じるのか、ということを考えながら観て頂きたいですね。

イギリスの少し曇った画面、美しい建造物や小物などにも注目です。

 

 


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頑固親父が守りたかったもの。映画『フェンス』ネタバレ&感想

彼らがフェンスで守りたかったのは、ゆるぎない愛――

ちびぞう母チョイスの作品。なんとなーく黒人差別の話なのかなーという程度の前知識でレンタルして観てみました。

デンゼル・ワシントン監督・主演作。俳優さんの監督作というとあまりヒットしないイメージがあるので少し不安になりつつ鑑賞。

日本での劇場公開は無し。原作は同タイトルの戯曲のようです。

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【映画情報】

【原題】 Fences
【制作国】アメリカ
【監督】デンゼル・ワシントン
【脚本】オーガスト・ウィルソン
【原作】オーガスト・ウィルソン『Fences
【製作】スコット・ルーディン、デンゼル・ワシントン、トッド・ブラック
【製作総指揮】モリー・アレン、イーライ・ブッシュ、アーロン・L・ギルバート、アンディ・ポラック、デイル・ウェルズ、チャールズ・D・キング、キム・ロス
【撮影】シャルロッテ・ブルース・クリステンセン
【美術】デビッド・グロップマン
【衣装】シャレン・デイビス
【編集】ヒューズ・ウィンボーン
【音楽】マーセロ・ザーボス
【出演([]内は役名)】

  • デンゼル・ワシントン[トロイ・マクソン]
  • ヴィオラ・デイヴィス[ローズ・リー・マクソン]
  • スティーブン・ヘンダーソン[ジム・ボノ]
  • ジョヴァン・アデポ[コーリー・マクソン]
  • ラッセル・ホーンズビー[ライオンズ・マクソン]
  • ミケルティ・ウィリアムソン[ミケルティ・ウィリアムソン]
  • サナイヤ・シドニー[レイネル・マクソン]

【レンタル開始日(日本未公開)】2017年6月7日
【上映時間】139分
【配給】パラマウント映画
【IMDB】7.2/10.0  (およそ70,000人の評価)

【あらすじ】

1950年代の米ピッツバーグ。トロイ・マクソンは、妻ローズと息子のコーリーと暮らしている。彼はかつて野球選手だったが、人種差別によってメジャーリーガーの夢を絶たれ、今では苦しい生活を送っていた。ある日、コーリーがアメフトのスカウトマンに見出され、でNFLを目指す大学推薦の話が舞い込んでくる。しかし、トロイは進学に反対、夢を見過ぎたと責め立て、家の裏庭のフェンス作りを強制的に手伝わせる。息子の夢を完全に潰してしまったトロイ。親子関係に亀裂が走り、ふたりを見守っていたローズとも激しく衝突することになるが・・・。【引用元:公式サイトより

【感想(ネタバレしています!)】

☆3.5/5.0

結構面白かった!

退屈な人には退屈に思えるかもしれない・・・と思う理由は、デンゼル・ワシントン演じる父親トロイの人物像!

とにかく喋る、喋る!喋りまくる!結構な早口でまくしたてます。しかも内容はあってないような過去の話だったり、奥さんとの出会いの話だったり、いかに自分が苦労して今の生活を手に入れたか、黒人差別がどうまかり通っているかなどなど。
一言で言えば「自分語り」。

序盤からのデンゼル・ワシントンの一人舞台に、ちびぞうはあまりの台詞量に圧倒されていましたが、正直しっかりと頭に入ったかと言えばそうではないです。吹き替え版だったんですが、聞いてるうちにだんだん内容が入らなくなってくる・・・(笑)台詞回しも下品だったりしますしね。

でも、この一見退屈に思える自分語りが、地味にポイントだと思っているんです。

こういう親父、いるよねっていう。

この父親像というのは、18年連れ添った妻を裏切り外で女を作った上に妊娠させたり、自分の理想や価値観を家族に押し付け息子の夢を自分の手で潰したりする人間的に欠陥のあるしょーーーもない親父。

背景に黒人差別というものがあり、それがこの父親をここまで歪ませてしまった、という部分があるのかもしれませんが、ちびぞう的にぶっちゃけ黒人差別などはこの映画にあまり関係がない気がしました。

だって、こういう父親って多分どこにでもいるでしょ。

原作者はこの映画を監督するのは黒人しか許さなかったようで、黒人が監督し演じることに深い意味があったようですが、いまいちちびぞうには分かりませんでした・・・。

この映画の良さは、奥さんであるローズとの人物的な対比だったり、息子のコーリーとの関係にあると思います。

親父が死んで、息子が「俺はこの家で一度も親父から逃れられなかった。一度くらいは逃げたいんだ」と言い、トロイの葬式に出席することを拒絶します。

しかしそれを許さない妻のローズ。

このラストは、「父親からは逃れられない」という事実が突きつけられる。どんなに最低でも敬うべき部分はある、と。

父親と息子の間に生まれた亀裂が、父親の死後、息子の中で埋まっていくという形のストーリーはそんなに珍しくないんですが、この映画は演出の仕方が良かったな。家の裏で作られていた「フェンス」という小道具も含め。

誰が見ても憎むべき父親と、それに向き合うことの出来なかった息子。

最後、父親がよく口ずさんでいた歌を息子が歌うシーンがあるんですが、そこが良いんです。
ちびぞうも、父親がよく歌っていた歌を歌える、ということを思い出してハッとしましたね。タイトルも歌手もわからないけれど、歌える曲というのがいくつかあるんです。

自分の中に根付く父親という存在は、自分の意識していないところでひょっこり顔を出してきて、その大きさを自覚させられるという、良い演出でした。

出来れば父親が死ぬ前に、父親に対する価値観を変えられれば良いんですけど、実際それは難しいのかな。”死”というものを媒介して初めて理解したり、心を寄せたりできるというのも、不思議なものです。

 

観終わった後に、自分を形成する”親”という存在について考えられる、良い映画でした。

 

 


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画像引用元:映画.com/IBDB

王を讃えよ!インド映画『バーフバリ 伝説誕生』ネタバレ&感想

「100人の敵を斬るのが英雄。たった一人の民を守るのが、王」

\バーフバリ!!/\バーフバリ!!/\バーフバリ!!/\バーフバリ!!/\バーフバリ!!/

いやあー『バーフバリ 王の凱旋』ちびぞうを魅了した王の誕生をようやく見届ける事が出来ました!!DVDでですけどね!!これも劇場で観たかったなぁ!

ちなみにこちらが前編ですので!お間違えのないよう!

そういえば主演のシヴドゥとバーフバリを演じるプラバースさん、185cmもあるかなりの長身!だったと最近知りました・・・そのサイズ感であのムキムキはヤバい。

ちなみにラスボスであるバラーラデーヴァを演じるラーナー・ダッグバーティさんも188cm!そりゃアクションに見応えも出て来ますよね・・・!

王を讃えたい人のための公式サイトはこちら

\バーフバリ!!/\バーフバリ!!/\バーフバリ!!/\バーフバリ!!/\バーフバリ!!/

熱量に圧倒されるインド映画!『バーフバリ 王の凱旋』感想

【映画情報】

【原題】Bahubali: The Beginning
【制作国】インド(テルグ語、タミル語)
【監督/脚本】S・S・ラージャマウリ
【提供】K.ラーガヴェンドラ・ラーウ
【原案】V.ヴィジャエーンドラ・プラサード
【製作】ショーブ・ヤーララガッダ、プラサード・デーヴィネーニ
【撮影】K.K.センティル・クマール
【美術】サーブ・シリル
【音楽】M.M.キーラヴァーニ
【編集】コータギリ・ヴェンカテーシュワラ・ラーウ
【出演([]内は役名)】

  • プラバース[シヴドゥ/バーフバリ]
  • ラーナー・ダッグバーティ[バラーラデーヴァ]
  • タマンナー[アヴァンティカ]
  • アヌシュカ・シェッティ[デーヴァセーナ]
  • ラムヤ・クリシュナ[シヴァガミ]
  • ナーサル[ビッジャラデーヴァ]
  • サティヤラージ[カッタッパ]
  • ロヒニ[サンガ]
  • タニケッラ・バラニ[導師]
  • アディヴィ・シェシ[バドラ]
  • プラバカール[カーラケーヤ族長]

【公開日(日本)】2017年4月8日
【上映時間】138分
【配給】ツイン
【映倫区分】R15+
【前作】熱量に圧倒されるインド映画!『バーフバリ 王の凱旋』感想
【IMDB】8.2/10.0  (およそ84,000人の評価)

【あらすじ】

巨大な滝の下で育った青年シブドゥは、滝の上の世界に興味を持ち、ある日滝の上へとたどり着く。そこでシブドゥは美しい女戦士アバンティカと出会い、恋に落ちる。彼女の一族が暴君バラーラデーバの統治する王国との戦いを続けていることを知ったシブドゥは、戦士となって王国へと乗り込んで行く。そこでシブドゥは、25年もの間幽閉されている実の母の存在と、自分がこの国の王子バーフバリであることを知る。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレしているよ!)】

☆4.0/5.0

もぉおおお大好き!!!吹き替えと字幕版で両方観ました!!!

後編の記事にも書きましたが、2はオープニングで1のあらすじをサラッとおしえてくれるので問題なく観れる仕様になっています!

そして今作は、2を観た後の人なら「お!この人は!シヴァガミ様!お、カッタッパ!!!デーヴァセーナさまぁああおいたわしやぁあああ」と知ってる人たち総出演でとっても楽しめる仕組みになっています!

驚異的な中毒性!

そう、実はこのバーフバリシリーズ、観た人を洗脳し王の民としてしまう力だけではなく、圧倒的な中毒性も持っています!!!(笑)

なぜかというと、1の終わりが2に直接繋がっている(シヴァガミによって助けられた子フバリが成長しカッタッパに自分は何者なのかを聞くシーンから2へ)というのは当然ながら、2の終わりも1に直接繋がっている(2の最後に父フバリの没落を見せた後、子フバリを逃がすというところから1へ)から!!!!

なので1の終わりを観た時にきっとまた「なぜカッタッパが!?(いや知ってるけど)」という気持ちになるのは間違いないですし、2を観て1を観た人も再び2を観たくなるという。(ちびぞうがまさにそれ)

そして2を観ればまたそれは1へと繋がり・・・む、無限ループ!バーフバリ地獄から抜け出せない!!

しかもバーフバリという作品を劇場で観る楽しさを知ってしまっている方なら、再びまた劇場に足を運んでしまうでしょう・・・。なんという上手な構成・・・。

これ、思ったんです。多分、この作品は本来ぶつ切りにする話ではなく、二本で一本の作品なのだと・・・。上映時間が長すぎるインド映画でよくある「インターバル」という休憩を挟むタイミングがちょうど1と2の間にあるんですよね。

(そういえば同監督のハエが主人公なインド映画『マッキー』でも「インターバル」の文字の出し方最高にカッコよかった・・・)

あまりにも長すぎるから前後編に分けただけという感じがして、そのまま流しても問題ないくらい繋がっています。

あぁ・・・もう一度2を劇場で観たい!!!

新世代の変態あらわる!

いやもう最高にわらかしてもらいました(笑)

子フバリであるシヴドゥが滝を上り、アヴァンティカという女性に恋に落ちたあと、彼女にするアプローチの仕方が本当に超ド級のストーカーなんです。

  • 彼女が水辺で眠っている隙に水中を潜水して登場、水の中に入れていた彼女の手に群がる魚たちに紛れて、その手にこっそりタトゥーを施すシヴドゥ
  • しかもアヴァンティカちゃん、族長にツッコミ入れられるまで自分の手にタトゥー入れられていたことに気付きません
  • アヴァンティカちゃん、お供を餌にタトゥーマン(シヴドゥ)をおびき寄せようと水辺の木の上で弓を持って待機、その背後の木に音もなく登場するシヴドゥ!!!
  • そしてアヴァンティカちゃんの肩から毒蛇を垂らし、彼女が毒蛇に気を取られている間に肩にタトゥー(また!!)を施す(しかもまた気付かれない)
  • アヴァンティカちゃんについに追い詰められたタトゥーマン、彼女と闘いながら華麗に服を脱がす、脱がす!!滝の水で彼女の顔と体を綺麗に洗ってやると次は果実をアクロバティック採集、その果汁を使って彼女の顔にメイクを施す、施す!!
  • 自分を美しく彩ってくれたタトゥーマンに「こ、これが私・・・?」と心奪われるアヴァンティカちゃん(とてつもなく急展開)”私にタトゥーを入れた人”という歌が歌われながら二人は結ばれロマンチックシークエンスはここで終了

いやーもう見ながら「なんという新時代の変態だ」と思ったのはきっと私だけではないはず。
「本当の君を教えてくれ」と言いながら戦う女を美しい女性へと仕立ててあげるのは非常にロマンチックだと思うんですけどね、やり方が・・・さすがバーフバリ、何事も強引です。ちびぞう的に、緑の巻きスカートを一旦伸ばして逆巻きにすると、裏地の赤が表に来て赤いスカートへ早変わりする演出が好きでした。手品師かよ!

ここの、シヴドゥが仮面に恋してアヴァンティカを落とすまでのくだりで、彼の「彫刻の才能」「お絵かきの才能」「念能力者ばりに気配を消す才能」「彫り師の才能」「メイクアップの才能」「ダンスの才能」「手品の才能」とまぁ、多才すぎる王の素質を垣間見ることができるので、本当に必見ですよ!

プラバースさんの嬉しそうな笑顔、本当に可愛いんだよなぁ・・・

今回の目力ナンバーワンは

デーヴァセーナ妃に扮するアヌシュカ・シェッティさん!!!

2は王の本領発揮ですからね、父フバリ(とシヴァガミ様)の目力が凄まじかったです。1は子フバリもなかなかでしたが、やはりこの人の目力には及びませんでした!!!!

彼女が小枝拾いをバカにされてぶち切れるシーンはカッタッパもたじろぐほどの覇気!BGMも合わせて本当に愉快ですからぜひともそこに注目して頂きたいですね。(笑)やはり父フバリが選んだお妃はすごい!

そしてさりげなくここの宣言が予言となって2で実を結ぶ部分にも注目です。きちんと伏線も張られています。

名助演・カッタッパ

武器工場長という立場でありながら自らを奴隷と言う「卑下(髭)ジイ」ことカッタッパですが、1と2両方観ると彼の事も大好きになること間違いなし。

カッタッパ!!という叫びやすい名前も忠臣として優秀。

彼無しではバーフバリ伝説は語れないほどの重要人物で、とにかくめちゃ強い。その実力は父フバリ、子フバリにも劣りません。

今作で子フバリに対しスライディング正座をしたあと、2で赤子だった頃の子フバリにしたように足裏を自分の頭に乗せるシーンがあるんですが、そこはもう涙が・・・。
王と忠臣の再会シーンですが、父と子の再会シーンでもあるんですよね。本当に感動的。

まとめ

アクションに関しては、2の方が気合が入っていますし「そんなバカな!度」も2の方が上回っています。

後半にかけて盛り上がっていくという意味では、1の方が控えめなのは当然なのかもしれません。それでも、馬車で燃える藁玉をドバァーンッッ!!と突き抜けたり(ここで本当にすごいのは馬)、油を沁み込ませたそんな巨大な布が飛ぶわけなくない?と思ってもガンガン飛んで行ったり、敵の長が人間をポイポイと枕投げのように投げて来たり、積もった人間たちの中から父フバリがドバァーンッッ!!と出て来たりするシーンはやっぱり物理法則など無視しまくりであっけにとられます!決してまばたきもせずご鑑賞頂きたいですね!

 

トータルして考えるとやはり凄いのは父フバリで、主人公は父フバリなんですよね。しかし、神に例えられるほどの王の器を持っていた彼でも、制度上一度も王にはなっていません。
ちびぞう的にはこの世界観がとてつもなく大好きなので、ぜひとも子フバリにしっかりと王位を担って頂き、カッタッパをお供にした彼のその後を描く歴史スペクタクルを三部作くらいでやって欲しいです。

全部劇場で観に行きます。

よろしくお願いしますよ、S・S・ラージャマウリ監督!

 

 


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画像引用元:映画.com/IMDB

その名を口にすると死!映画『バイバイマン』ネタバレ&感想

考えるな。言うな。考えるな。言うな。考えるな。言うな。

原作はノンフィクション、という話を聞いてビックリしたんですが、特にそういう事件があったとか元ネタがハッキリしているわけではなさそうです。

このバイキンマンを彷彿とさせるネーミングはさておき、この「特定の言葉を見聞きする、言葉にして発すると死が訪れる」という設定に惹かれてレンタルしました・・・。

日本のネット界隈でも、口にして発すると死ぬ、みたいな言葉ってありますよねー。こういうのって全く無関係の人が無差別に理不尽に巻き込まれる恐怖があって(中には意図的に巻き込まれる場合もある)興味深いです!

公式サイトはこちら

【映画情報】

【原題】The Bye Bye Man
【制作国】アメリカ
【監督】ステイシー・タイトル
【脚本】ジョナサン・ペナー
【原作】ロバート・デイモン・シュネック『The President’s Vampire』
【製作】トレバー・メイシー、ジェフリー・ソロス、サイモン・ホースマン
【製作総指揮】セス・ウィリアム・マイヤー、パトリック・マーレイ、マーク・D・エバンス、ドナルド・タン、ロバート・シモンズ、アダム・フォーゲルソン、オーレン・アビブ
【撮影】ジェームズ・ニースト
【美術】ジェニファー・スペンス
【衣装】リア・バトラー
【編集】ケン・ブラックウェル
【特殊メイク】ロバート・カーツマン
【音楽監修】ジェームズ・カード
【音楽】ザ・ニュートン・ブラザーズ
【出演([]内は役名)】

  • ダグラス・スミス[エリオット]
  • ルシアン・ラビスカウント[ジョン]
  • クレシダ・ボナス[サーシャ]
  • ダグ・ジョーンズ[バイバイマン]
  • キャリー=アン・モス[警部ショウ]
  • フェイ・ダナウェイ[レドモン婦人]
  • リー・ワネル[ラリー]
  • キーリン・ウッデル「レドモン(過去)」
  • マイケル・トルッコ[ヴァージル]
  • クリオ・キング[ミセス・ワトキンス]
  • ジェナ・カネル[キム]
  • エリカ・トレンブレイ[アリス]

【公開日(日本)】2017年7月8日
【上映時間】96分
【配給】AMGエンターテイメント
【IMDB】4.3/10.0  (およそ12,220人の評価)

【あらすじ】

アメリカ、ウィスコンシン州の古い屋敷に引っ越してきた3人の大学生が、ふとしたきっかけで、その名を知った者、口にした者に不幸が訪れるという「バイバイマン」を呼び起こしてしまう。バイバイマンに取り憑かれた3人は協力して互いの命を助け合うが、周囲の人間たちが次々と命を落としていき、次第に追い詰められていく。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.5/5.0

なんというか、一言で言えば「可もなく不可もなく」という感じ・・・。

普通なんです、全体的に。

題材は良いのになぁ、それを活かしきれていないというか。

オープニングの、「バイバイマン」という言葉を伝えてしまった相手を全員殺して自分も自殺するという男のシーンはすごく引き込まれたし、良かったです。

それと、引っ越してきた家でパーティをしている時に、姪っ子ちゃんが怪しげな部屋で小さな扉を開けるシーン。あそこも好き。部屋の反対側に同じサイズの小さな扉がもう一つあって、姪っ子ちゃんが扉を開けると背後でその扉もソーッと開き、そこから犬の頭?のようなものがニョキッと出てくる。という。姪っ子ちゃんは扉をそっと閉めるんですが、それと同じ動きで背後の扉も閉まる。

あの扉はどこか良くないところに通じているのね!!というのがよくわかる面白い演出だったかなーと。

それからラスト付近の、姪っ子ちゃんがバイバイマンの名前を知ってしまったかどうかのシーンもひやひやして好きな演出でした。

それくらいですかねー・・・。

バイバイマンそのものが出てきてしまうと興ざめしてしまうし、オチも結局生き残った男の子が警察の女にバイバイマンの名を伝えてしまう・・・恐怖はまだまだ続くぜ・・・というものですごくありきたりだし。

最近、ホラー映画界は『死霊館2』『人形少年の館』『イット・フォローズ』『ライト/オフ』などありがちな設定にオリジナリティを持たせたり、思いついたけど誰もやらなかったようなことをしてみたり、結構面白いものが増えてきている!!ほんと頑張ってるんですよね!!!!(何様)

ずっとネタが飽和状態で、新しいものを生み出すのはもう難しいのかな・・・と思っていたところで「ホラーはまだまだいける!!」と思わせてくれる作品が多いのです。

その中で今作は・・・今作は・・・

もうちょっと頑張れたんじゃない?(何様)

と思わせられる惜しさというか・・・うん、最近面白いホラー映画がちょいちょいあったので期待値も上がっていたのかもしれないですね!

まぁ、ホラー映画ファンなら押さえておいても問題ないでしょう!

特にちびぞうはオススメはしません!(笑)

 

 


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画像引用元:映画.com

熱量に圧倒されるインド映画!『バーフバリ 王の凱旋』感想

「民を創るのは神、民を救うのは医者、そして民を守るのが・・・王族だ」

バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!!バーフバリ!!

・・・はっ

どうもこんにちはこんばんは、明けましておめでとうございます!ちびぞうです!

今回はこの、年の瀬に公開された怒涛のインド映画について書きたいと思います。

「せっかく作った2017年の映画ベストを12/29という本当にギリギリなところでひっかきまわしてくれてある意味迷惑!!」と書いている方々をツイッターで沢山お見掛けしました(笑)

ちなみに今作は『バーフバリ 伝説の誕生』の続編に当たります。ちびぞうは前作は観ていないのですが

  • インド映画好きだし劇場で一度観てみたかった
  • 既に観た人たちが「これは年始一発目に観たかった」と書いていた
  • 一作目のあらすじも冒頭で見せてくれるから前作観てなくても問題ないという情報を目にした

ということで、2018年一発目の劇場作品にチョイスさせて頂きましたー!

監督は『マッキー』のS・S・ラージャマウリさん!

パンフはこんな感じ!

裏面も極彩色!!!

分かりやすいキャラクター相関図と、今作のトリビアページ(製作費から使ったジュエリーの数、キャストの肉体改造についてまで)が面白かった!

22Pで税込み700円・・・値段の割にはちょっと内容が寂しいですね><

パンフってどんなにかっすかすでも最低で税抜き680円くらいにしないといけないっていうルールでもあるのかな?

【映画情報】

【原題】Baahubali 2: The Conclusion
【制作国】インド(テルグ語、タミル語)
【監督/脚本】S・S・ラージャマウリ
【提供】K.ラーガヴェンドラ・ラーウ
【原案】V.ヴィジャエーンドラ・プラサード
【製作】ショーブ・ヤーララガッダ、プラサード・デーヴィネーニ
【撮影】K.K.センティル・クマール
【美術】サーブ・シリル
【音楽】M.M.キーラヴァーニ
【編集】コータギリ・ヴェンカテーシュワラ・ラーウ
【衣装】ラーマ・ラージャマウリ、プラシャンティ・ティピリネーニ
【出演([]内は役名)】

  • プラバース[シヴドゥ/バーフバリ]
  • ラーナー・ダッグバーティ[バラーラデーヴァ]
  • アヌシュカ・シェッティ[デーヴァセーナ]
  • タマンナー[アヴァンティカ]
  • ラムヤ・クリシュナ[シヴァガミ]
  • ナーサル[ビッジャラデーヴァ]
  • サティヤラージ[カッタッパ]
  • スッバラージュ[クマラ・ヴァルマ]

【公開日(日本)】2017年12月29日
【上映時間】141分
【配給】ツイン
【映倫区分】G
【前作】『バーフバリ 伝説の誕生』
【IMDB】8.5/10.0  (およそ53,000人の評価)

【あらすじ】

蛮族カーラケーヤとの戦争に勝利してマヒシュマティ王国の王に指名されたアマレンドラ・バーフバリは、クンタラ王国の王女デーバセーナと恋に落ちる。しかし王位継承争いに敗れた従兄弟バラーラデーバは邪悪な策略で彼の王座を奪い、バーフバリだけでなく生まれたばかりの息子の命まで奪おうとする。25年後、自らが伝説の王バーフバリの息子であることを知った若者シブドゥは、マヘンドラ・バーフバリとして暴君バラーラデーバに戦いを挑む。【引用元:映画.com

【感想】

☆4.1/5.0

テルグ語映画であり、タミル語映画でもある。タミル語圏の映画でここまで歌と踊りが少ないのは珍しいのかな?同監督のマッキーも歌はそんなになかったように思いますね。

この勢いはタミルならではなのかな・・・(笑)

 

正直、何がどう良かったのかと聞かれると・・・

熱気と勢いと画面の圧力に屈して、気付いたら王(バーフバリ)を讃えていた・・・としか言えないんですよね・・・(笑)

いや、本当に!!!

正直、冒頭部分で前作の流れと一緒に今作のあらすじもダイジェストで見せて貰えるんで、物語の意外性とかは何もないですし”分かっているあらすじ”を本当に追うだけになってしまうので141分という時間が退屈で寝てしまう人も中にはいるかもしれませんし、

しかも、脚本が飛びぬけて面白い!!!というわけでもないんですよ。

よくある王位継承戦よくある兄弟・血筋のしがらみよくある暗殺劇と裏切りよくある真の王の帰還・・・歴史スペクタクルとしてはものすごくありがちなんですよね。

そしてインド史上最大の製作費・約42.5億円を投入して作ったにしてはヤケにCGがちゃちぃシーンがあったり・・・国や街を見下ろすような俯瞰のシーンは「あ、これジオラマだな」と分かったりして・・・そこがちょっとおマヌケでクスッと来たりする部分でもあるんですが(笑)隅から隅まで映像が完璧にすごい!!というわけでもない・・・

デーヴァセーナと一緒に凱旋するシーンはまさにファンタジー!!って感じで、唯一インド映画っぽさを感じる極彩色のダンスシーンがありますが、このシーンも”そういうのについていける人”でないと厳しいかもしれない・・・。

いきなり歌いだしたりするわけではないので、だいぶ見やすくはありますけどね!!

ではどこが面白いのか!

やっぱりそれは常識破壊のインパクト(公式アオリ文)を持つアクションシーンでしょう!!!!

物理的に、「いやその発想は分からんでもないけど実行するのは不可能じゃない?」といったアイディア溢れるアクションを王の眼力と力技でごりごり押して可能にしていきます!!!!

そしてどの場面でストップしても絵になる画面の美しさと迫力!!センスあるスローモーション!!『300(スリーハンドレッド)』を初めて観た日の興奮がよみがえる!!!

観ていると「あ、そっか!バーフバリならば可能なのか!!!」という気持ちになんとなくなりますね!!もはや洗脳ですね!

観てる間中ずっと「むちゃくちゃやりおる・・・(笑)」と思って観ていましたが・・・観終わってみると余韻がまたすごいんですよね。観終わった後の興奮というか、この上がりきったテンションをどこで昇華させればいいのか?という。

誰かと語り合って、一緒に「バーフバリ!バーフバリ!バーフバリ!」と拳を突き上げて叫びたくなること間違いなし。

それと、数ある神話の中でも破壊の神シヴァは相当強いと言われているみたいですね。さすが、バーフバリはシヴァ神を信仰しているだけはあるな・・・という「映画の強さ」みたいなものも感じました。アオリにもあった「映画の神様、降臨」という文も本当にしっくりきます(笑)

個人的に、オープニングでバーフバリのカッコよさを見せつけてくる「国母による結願の儀」がありましたが、同じ儀式をラストでも同じように持ってくるセンスとか、好きですね・・・構成がお上手・・・。

まとめ

悲しいことにちびぞうの周りではバーフバリの鑑賞率がほぼゼロに近いので・・・

以前から好きだったのですが、今作を観て本気でインド映画を布教したくなりましたね・・・

興行収入も300億と、インドでトップに躍り出て、しかもIMDBでもかなり高評価の8.5!!しかし日本ではTOHO系列で上映していないのが大きいのかまだフィルマークスさんでも400人くらいしかマークされていない・・・。

みんなもっとインド映画観ようよ!!!!!

とりあえずはまだ前作『バーフバリ 伝説の誕生』を観ていないので、そちらを急いで鑑賞したいところです!!!!

※伝説誕生も観ました!

王を讃えよ!インド映画『バーフバリ 伝説誕生』ネタバレ&感想

 

 


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驚愕のボカシ!映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』ツッコミ&感想

愛してるのに、愛し方が違う、ふたり。

タイトルにもあります「ボカシ」というのは、劇場公開のR15+バージョンのお話でして、一部で公開されたR18バージョンとDVDに関しては改善されたようなのでそちらを観た方にはピンと来ないかもしれません(笑)

ちなみにこの映画は、かのティーン向け恋愛小説「トワイライト」シリーズのファンがネットに投降した官能小説が原作となっているようです。

ちびぞうは原作は未読ですが過去、映画『トワイライト』のファンであったので、興味津々。映画仲間の女子会にて劇場でR15+版を鑑賞しました!

パンフはこんな感じ。

おっしゃれぇい!じゃないですか!この、書類を思わせるデザイン。何かな?とめくってみると、一ページ目にCONTRACT・・・つまり劇中に登場する「契約書」が載ってるんです!!!

こういう遊び心のあるパンフ、良いと思います(笑)

しかし20Pで税抜き667円はちょっと寂しい・・・。

【映画情報】

【原題】 Fifty Shades of Grey
【制作国】アメリカ
【監督】サム・テイラー=ジョンソン
【脚本】ケリー・マーセル
【原作】ELジェイムズ
【製作】マイケル・デ・ルカ、ELジェイムズ、ダナ・ブルネッティ
【製作総指揮】マーカス・ヴィシデイ、ジェブ・ブロディ
【撮影監督】シェイマス・マクガーヴィー
【プロダクション・デザイン】デヴィッド・ワスコ
【編集】デブラ・ニール=フィッシャー、アン・V・コーツ
【衣装】マーク・ブリッジス
【音楽】ダニー・エルフマン
【出演([]内は役名)】

  • ダコタ・ジョンソン[アナ(アナスタシア)・スティール]
  • ジェイミー・ドーナン[クリスチャン・グレイ]
  • ジェニファー・イーリー[カーラ・メイ・ウィルクス]
  • マーシャ・ゲイ・ハーデン[グレース・トレヴェリアン・グレイ]
  • エロイーズ・マンフォード[ケイト・キャヴァナー]
  • ヴィクター・ラサック[ホセ・ロドリゲス]
  • ルーク・グライムス[エリオット・グレイ]
  • リタ・オラ[ミア・グレイ]
  • マックス・マーティーニ[ジェイソン・テイラー]
  • カラム・キース・レニー[レイ・スティール]
  • アンドリュー・エアリー[キャリック・グレイ]
  • ディラン・ニール[ロビン(ボブ)・アダムス]

【公開日(日本)】2015年2月13日
【上映時間】126分
【配給】 東宝東和
【映倫区分】R15+
【前作】
【次作】フィフティ・シェイズ・ダーカー
【IMDB】4.1/10.0  (およそ253,300人の評価)

【あらすじ】

大学生のアナ・スティールは、学生新聞の取材で若き億万長者として知られる大企業のCEOクリスチャン・グレイにインタビューし、それをきっかけに2人は急接近。グレイと交際する女性が守るべきルールを記した秘密保持契約書を提示されたアナは、書類にサインし、グレイと通じ合うことになる。しかし、グレイにはある秘密があった。【引用元:映画.com

【感想】

☆3.2/5.0

世の中のレビューさんを見回っていると、これと『ニンフォマニアック』を比較する声がチラホラあって逆に笑ってしまうう(笑)

もう一度言いますが『トワイライト』ファンの書いた官能小説なんですよ!!

ニンフォ~とはジャンルも畑も書いた人の種別(アーティストか少女漫画家か的な意味で)違うのに!!!!(笑)

・・・と思ったんですが、なぜあの作品と比べられるのかこの記事を書いてて思い出したんですが、主演の女優さんがシャルロット・ゲンスブールに似ているんですよね。多分そのせいもあるのかな。

初めにちびぞうの好みについて書いておきます。

こういうの、嫌いじゃないんだよなぁ…。
設定だけで、「内容は無いよう(;ω;)」なんですけどね。

主なお話の概要

さぁさ、ゲームの始まりだ!

男性と特殊なプレイをするならば、貴女はどこまで耐えられる?
どうです?!若いよ若いよ〜イケメンだよ〜更に大富豪ときたもんだ!広くてお洒落なお部屋ももらえてヘリだって乗り放題!しかも強引な性格!勝手に人の車も売り払うよ!今時いない肉食系だー!

そうだね、いきなりは怖いねゆっくり慣らそうねまずは目隠しして手首を縛るよ!
え?だめだめルールは守って!
彼に触れちゃいけない恋しちゃいけない同じお布団で眠るのもNG!

まぁこのルールもグダグダだけどね!!

大富豪(なんちゃってドS)と平凡女子大生が契約で繋がる、そこから始まる禁断の恋を描いたラブストーリー超大作・・・と思いきや↑で書いたような感じです。大体は。

感想

誰が見ても失敗だとわかるモザイク処理(なんと画面の9割が真っ黒に塗りつぶされている!!)に笑い、グレイさんの言動に笑い主人公のアナのアホさに呆れる

今時ネットもありますし、「それってどんなものなの?」くらい体験する前にグーグル大先生に聞けばある程度予測できるじゃないですか??叩かれたら痛いに決まってるわ!!そんな簡単なことがわかりませんかこのお嬢さんは!!

でも…ちびぞうはこの映画、嫌いじゃないんです(ツンデレ)、むしろちょっと好き。笑

トワイライターが書いた官能小説というだけあって、どういう関係性が作者の萌えなのかはすぐにわかりました。つまり“吸血鬼と人間の危うくて切ない恋愛関係”を実際の人間の恋愛ドラマに落とし込むと“アブノーマルな性癖を持ったイケメンとの恋”になったっていうね!!

それだけだね!

リアルな人間で”吸血鬼との危うい恋”を再現したかっただけでこの作者は別にガチのSM嗜好者ではないのですよ。多分。だからあらすじに釣られてハードなものを期待すると大変痛い目を見ることになるとは思います。

パンフレットについていた契約書にも「セーフワード」の使用についての項目とかありましたが、そんなもの必要ないくらいのぬるさ。(重要な場面を見せずに観客にその内容を想像させる『マジカル・ガール』のテクニックをぜひ監督は見習ってほしい)

もしかしたら、見せる相手は一般ピーポーなワケだし、いきなりハードなモノを見せて引かれるわけにもいかないので、映画を観る観客にも少しずつ焦らすように慣れてもらわないといけないという都合もあったのかもしれない(別に展開が遅い!とか言ってないよ!決して!)。
なので、観客にも“貴女はどこまで受け入れられる?”というのが試されてるわけですね(笑)

続編モノなのでこれだけでは判断し辛いんですが、まぁ続きを楽しみに待つ程度には満喫しました。(それにしたって全部で4作は多いんでない?)

トワイライターなら必見です、なぜなら『トワイライト』を初めて観た時に湧き上がってきた笑いとヒロインへの苛立ちをもう一度体験できるんだから!

・・・かなり物語的に引っ張っていたので、グレイさんの過去が肩透かしじゃないことを切に願っています。

魔法少女が得る代償。映画『マジカル・ガール』ネタバレ&感想

最後に

正直一発目が不発に終わったようなので続きはでないと予想していましたが、出ましたねー『フィフティ・シェイズ・ダーカー』。

レンタルも始まったので、一度これのボカシが少ないバージョンも観ておさらいしてから、続編に挑みたいと思います。

 

 


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世紀の対決!『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』ネタバレ&感想

―――夢の中で、光に導かれた。美しいまぼろしだった。

あぁー!!これは『ジャスティス・リーグ』を観る前に鑑賞しとくべきだったー!!!となるやつ!どうもちびぞうです!

ちなみに吹き替えで鑑賞しました!

流れとしては、

マン・オブ・スティール』→『本作』→『スーサイドスクワッド』→『ワンダーウーマン』→『ジャスティスリーグ』

という感じですが、赤字だけでも押さえておくと『ジャスティスリーグ』が楽しめると思いますね!

私は今作を観ずに『ジャスティスリーグ』を観てしまったので、ちょっぴり後悔しました・・・。

→関連記事

バットマン主催のヒーロー祭り!映画『ジャスティスリーグ』ネタバレ&感想

公式サイトはこちら。

【映画情報】

【原題】Batman v Superman: Dawn of Justice
【制作国】アメリカ
【監督】ザック・スナイダー
【脚本】クリス・テリオ、デビッド・S・ゴイヤー
【原案】ザック・スナイダー、デヴィッド・S・ゴイヤー
【原作】DCコミックス
【製作】チャールズ・ローベン、デボラ・スナイダー
【製作総指揮】クリストファー・ノーラン、エマ・トーマス、ウェスリー・カラー、ジェフ・ジョンズ、デビッド・S・ゴイヤー
【共同製作】ジム・ロウ、グレゴー・ウィルソン、カーティス・カネモト
【スーパーマン考案】ジェリー・シーゲル、ジョー・シャスター
【バットマン考案】ボブ・ケイン、ビル・フィンガー
【撮影】ラリー・フォン
【美術】パトリック・タトポロス
【衣装】マイケル・ウィルキンソン
【編集】デビッド・ブレナー
【音楽】ハンス・ジマー、ジャンキー・XL
【視覚効果監修】ジョン・“DJ”・デジャルダン
【出演([]内は役名)】

  • ベン・アフレック[ブルース・ウェイン/バットマン]
  • ヘンリー・カビル[クラーク・ケント/スーパーマン]
  • エイミー・アダムス[ロイス・レイン]
  • ジェシー・アイゼンバーグ[レックス・ルーサー]
  • ダイアン・レイン[マーサ・ケント]
  • ローレンス・フィッシュバーン[ベリー・ホワイト]
  • ジェレミー・アイアンズ[アルフレッド]
  • ホリー・ハンター[フィンチ議員]
  • ガル・ガドット[ダイアナ・プリンス/ワンダーウーマン]
  • TAO Okamoto[マーシー・グレイブス]
  • スクート・マクネイリー[ウォレス・キーフ]
  • カラン・マルベイ[アナトリ・クナイゼフ]
  • ローレン・コーハン[マーサ・ウェイン]
  • マイケル・シャノン[ゾッド将軍]
  • リプリー・ソーボ[セージ]
  • レベッカ・ブラー[ジョニー]
  • ハリー・レニックス[スワンウィック]
  • ケビン・コスナー[ジョナサン・ケント]
  • レイ・フィッシャー[サイボーグ]
  • エズラ・ミラー[ザ・フラッシュ]
  • ジェイソン・モモア[アクアマン]

【公開日(日本)】2016年3月25日
【上映時間】152分
【配給】ワーナーブラザース映画
【映倫区分】G
【前作】マンオブスティール
【次作】スーサイド・スクワッド
【IMDB】6.6/10.0  (およそ512,100人の評価)

【あらすじ】

バットマン(ベン・アフレック)は、両親の殺害現場を目撃したという過去のトラウマから犯罪者一掃に力を注ぎ、一方超人的能力を持つスーパーマン(ヘンリー・カヴィル)は、その力を人類のために惜しみなく使ってきた。だが、その破壊力の強大さゆえに、スーパーマンは人々からバッシングを受けるようになり……。【引用元:シネマトゥデイ

【感想(ネタバレ)あり】

☆2.3/5.0

思ったより面白くなかったやつ・・・。

というか、ツッコミどころが満載!!!!

なのでそういう意味ではものすごく楽しい映画にはなっています(笑)

オープニング映像のカッコよさ

ザック・スナイダー監督のファンとしては、映像に関して贔屓目に見てしまう部分もありますが・・・!いいよね!好きなんだもの!

オープニング、ブルース(バットマン)が子どものころに両親を強盗に殺され、そしてお葬式をする・・・というシーン。
お葬式から逃げ出したブルースは森の中を駆ける・・・そして自然洞窟?に落ちてしまう。しかしそこで、大量に羽ばたく蝙蝠達がブルースの周りを円を描くように飛び上がると、ブルースの体も洞窟の天井に開いた光の穴へと戻るように飛び上がっていく・・・。

これはブルースの過去を見る夢の映像なんですけど、すごく神秘的でスナイダーさんお得意のくすんだ色合いの画面、そしてスローモーションがとってもクール!

ファンにはたまらないですね~~~~~

ジェシー・アイゼンバーグが出演している!

なんというか・・・マーベルファンとしてはDCに取られてしまった感!(笑)
それにしてもアイゼンバーグさんは本当に最近人気ですね・・・イイ俳優だからなぁ・・・。

彼の演じるレックス・ルーサーというキャラクターは今作のヴィランというか悪役なんですが、彼の目的は自分の会社で犯罪や悪の宇宙人に対する抑止力になるようなスーパー武器(宇宙船から採ったエメラルドの放射線物質を使う)を作ること。
そのためには世の中のメタヒューマン(ヒーロー的な能力を持った人)が邪魔!だからスーパーマンとバットマンが戦い合って相討ちさせよう!と裏でこっそり画策する役なんですね。
彼の、パーティでのスピーチの下手さ加減が「経営者」としては才能があまりなく、父親の七光りで社長になっている・・・というところが透けて見えていました。サイコパスが権力を持つと恐ろしい!と思いつつ

彼が「ヒーローは万人を助けることなんて出来ない!親父が僕を殴っていた時、誰も助けに来なかったからだ!」とスーパーマンに言うシーンが切なくて・・・。あー彼にもこうなった事情があるのか!とうっすら見えてくると、とても深みのあるキャラなのかな・・・という気持ちにもなってきます。

スーパーマンを否定する人たちの感覚は「神は助けてくれない」と嘆く人たちに似ていますね。なのでこの世界ではスーパーマン=神という構図なのかな、と感じるシーンでもありました。

でもアイゼンバーグさんの丸刈りは嫌だぁああああ・・・!!

ワンダーウーマンという救い

とっても個性的な背中がガッパーと開いたドレスを3、4着披露してくれます!相変わらずお美しい!!

そして、今作では彼女は戦わないのかなぁ・・・と諦めかけたところでの

ワンダーウーマン登場!!!

多分ここでかなりテンションが上がった方は多いはず!
そして元々ダイアナがワンダーウーマンだという事を認識してない人(ワンダーウーマンから観てない人)も「この女性もヒーローなんだ!素敵!」と一目惚れしてしまうこと間違いなし!!

じらしてじらして~満を持してのヒーローコスチュームの登場、そして戦いのシーンは本当に素敵で、この映画の中で一番の盛り上がりは彼女がかっさらって行ったと言っても過言ではないでしょう・・・(笑)

ツッコミどころまとめ

  • とにかく時間が長い、脚本がややこしい
    ものすごく長い。話の流れはシンプルなのに、とっても話がややこしく分かりにくく感じてしまう。
  • とにかく夢オチが多い
    三回以上は夢オチあります。何かあるたびに「こ、これも夢オチかな・・・?」と思ってしまう!(笑)
  • バットマンがスーパーマンを倒そう!と決める理由が無理やりっぽい。
    ルーサーが裏で手を回していてスーパーマンと敵対するようになる、という流れは分かるんですけど、バットマンがスーパーマンを倒してやるぜ!!!とまるで親を殺されたかのように憎んでる風なのがいまいちわからない。「あぁー!これは倒したくなっても仕方ないよね!」という明確な理由があまりないように思えました。
  • 24時間警備体制で守られるロイス・レインたん
    アフリカだろうと、レックスコープの屋上だろうと、瓦礫の下の水の中だろうと、ロイスがピンチになると最優先でやってくるスーパーマン(笑)あまりに完璧な警備体制に笑ってしまうう(笑)
    だって!激しい戦闘のさなかでも、ロイスが瓦礫を叩く音を聞き分けるんですもん!彼女のための専用装置としか思えないぃぃ
    あと、戦闘中にイチャつかないで!!
  • 湯船の中に靴のまま入らないで!!
    「助けてくれるのは嬉しいけどそのせいで犠牲も出てる。私たちの関係は限界なのかも」と言うロイスの入ってるバスタブに服も脱がずに靴のまま入るクラーク!!
    き、きたないよ・・・
    と思ってしまいました(笑)しかもその後イチャイチャしてロイスの話を誤魔化してるし(笑)
  • スーパーマンの衣装のまま合衆国会議に現れる
    シュールで笑ってしまいました(笑)
  • まさかの母親の名前が同じだった問題
    これが一番ツッコミを入れた部分なんですけども(笑)めちゃ笑いました。
    バットマンがスーパーマンを倒そうとする理由も不明瞭なうえ、それを止める理由もまさかの母親の名前が一緒だったという・・・(笑)その偶然なかったらどうするのこの映画!!!!
  • エメラルドの放射線物質最強じゃん
    数いるヒーローのうち、スーパーマンの強さはチート級。しかしそんな彼もエメラルドの放射線物質とやらで作ったガスを吸っただけで普通の人間のように弱ってしまう・・・。まぁ、完璧超人よりは何か弱点があった方が楽しいんですけど、しかし弱くなる度合いがまたすさまじい・・・
  • エンドロール後の映像もない・・・
    期待してた人、特に映画館で観た人はがっかりでしょうね。私はいつもエンドロールは最後まで観る派なので別になくても良かったですが。ちょっとだけ、ないのかー。と思いまいした。

嬉しかった台詞たち

吹き替えならではのものもあると思うんですが

マイクの調節をするアルフレッドが
「バスガス爆発」を連呼してたのが可愛かったです。

「ピエロ姿の異常者に悩まされた過去がある」
これは、過去のバットマンのシリーズもきちんと世界観として引き継がれている感じがして嬉しかった台詞。

「かかとを3回鳴らしてカンザスに帰ったか」
ロイスの上司が言った台詞ですが、これは「オズの魔法使い」のオマージュですよね。思わずニヤり。

 

めっちゃ長くなってしまったのでまとめはなし!

ツッコミどころ満載で、あまり面白い!と手放しで褒められるような感じでもないので『ジャスティスリーグ』を観るなら観るべき作品。と言った感じでした。まる。

 

 


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映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』ネタバレ&感想

もういちど輝くために、 もういちど愛されるために、 すべてを手放し、羽ばたこう。

アカデミー賞で作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞を受賞し、その他主演男優賞などでも多数ノミネートをされたアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督×マイケル・キートンの、なんとも表現しにくい作品(笑/特にジャンルが)。アカデミー賞以外でも多数の映画賞を受賞している非常~~~~~に評価が高い作品です!

イニャリトゥ監督と言えば、レオさんがよ~~~~やくアカデミーを獲った『レヴェナント 蘇りし者』なんかの記憶が新しいですね!それ以前の作品では『バベル』くらいしか観ていなかったんですが・・・私的にはあまり好きな監督さんではなかったという・・・。

しかし、今作にはなかなか唸らさせられました。

パンフはこんな感じ!

激お洒落!!!!58ページで税込み860円という値段に見合う分厚さです。

珍しく左開き。最後の方に配給の20世紀フォックスの子会社である「フォックスサーチライトピクチャーズ」の紹介(どんな映画を配給しているか)等の情報ページもあってなかなかにボリューミー。

【映画情報】

【原題】Birdman or (The Unexpected Virtue of Ignorance)
【制作国】アメリカ
【監督】アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
【脚本】アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、ニコラス・ヒアコボーネ、アレクサンダー・ディネラリス・Jr、アルマンド・ボー
【製作】アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、ジョン・レッシャー、アーノン・ミルチャン、ジェームズ・W・スコッチドープル
【撮影監督】エマニュエル・ルベツキ、ASC/AMC
【プロダクション・デザイナー】ケヴィン・トンプソン
【編集】ダグラス・クライズ、スティーヴン・ミリオン,A.C.E
【キャスティング】フランシーヌ・メイスラ―,CSA
【衣装デザイナー】アルバート・ウォルスキー
【ドラム・スコア】アントニオ・サンチェス
【製作総指揮】クリストファー・ウッドロウ、モリ―・コナーズ、サラ・E・ジョンソン
【出演([]内は役名)】

  • マイケル・キートン[リーガン]
  • ザック・ガリフィナーキス[ジェイク]
  • エドワード・ノートン[マイク]
  • アンドレア・ライズブロー[ローラ]
  • エイミー・ライアン[シルヴィア]
  • エマ・ストーン[サム]
  • ナオミ・ワッツ[レズリー]
  • リンゼイ・ダンカン[タビサ]
  • メリット・ウェヴァー[アニー]
  • ジェレミー・ジャモス[ラルフ]
  • ビル・キャップ[クレイジー・マン]
  • ダミアン・ヤング[ガブリエル]

【公開日(日本)】2015年4月10日
【上映時間】120分
【配給】20世紀フォックス映画
【映倫区分】PG12
【IMDB】7.8/10.0  (およそ462,200人の評価)

【あらすじ】

かつてスーパーヒーロー映画「バードマン」で世界的な人気を博しながらも、現在は失意の底にいる俳優リーガン・トムソンは、復活をかけたブロードウェイの舞台に挑むことに。レイモンド・カーバーの「愛について語るときに我々の語ること」を自ら脚色し、演出も主演も兼ねて一世一代の大舞台にのぞもうとした矢先、出演俳優が大怪我をして降板。代役に実力派俳優マイク・シャイナーを迎えるが、マイクの才能に脅かされたリーガンは、次第に精神的に追い詰められていく。【引用元:映画.com

【感想(ラスト部分のネタバレ有り!)】

☆3.3/5.0

演出の面白さ!

まず最初にウキウキしたのはノートンさんとの舞台上での練習シーン!あんな風に、熱のこもった演技のやりとりしてみたい!って興奮してしまいました!!
次にウキウキしたのは、超絶カッコいいジャズドラムと台詞のセッション!!登場人物が喋るタイミングに合わせてドラミングする人のシークエンスが挟み込まれるんですが、リズミカル過ぎて観ながら肩が揺れてしまいましたよ恥ずかしい!あんな音響効果初めてでほんとにワクワクが止まりませんでした!!

脚本の面白さ!

バードマンというドッカーン!バコーン!!的な大衆向けヒーローモノ映画でかつて人気者になった俳優が落ちぶれ、過去の栄光に縛り付けられながらも演技派の役者として成功したいと葛藤する!この今時のハリウッド映画を皮肉るようなシナリオもたまらんんんんんん!!!と唸らせてくれました。
超能力があるように見えて本当はないのかも?どっちだーーという演出も好きだし、もはや亡霊のような扱いのバードマンも良い味出してます。
主演の人がバットマンだったことを知らなかったので本当に悔しかったなぁ。知ってたらもっともっと楽しめた。

残念だった点

さてここまではとっても好意的に書いてきたんだけども、しかし!

しかしだ!

どういう意図でこの作品が作られたのか後半からよくわからなくなってしまった。。この映画が何故アカデミーに気に入られたのか、納得した〜と思って観ていたのに。
まるで最後の最後で怖くなって結末を観る相手に委ねたように感じられて、途中の皮肉や風刺のような表現が全てなくても良かったもののように感じた(少なくとも私は)。

もしラストで死んでしまうならば、バードマンとの決別は意味をなさないですよね。せっかく、批評家を”本気で”仕事させるのに成功したのにも関わらず…筋が全く通らなくなるような気がして仕方がない。決別したように見えて、結局実弾に頼ることしかできなかった自分を嘆いたのか。どうにもしっくり来ない。
大衆向け娯楽映画を批判しすぎて反感買うの嫌だから中途半端にボカしたようにしか見えないんですよねぇ…本当に残念だ。
(本当はスコアは5.0から始まったんですが3.3まで落ちてしまった・・・)

まとめ

しかしながらこの作品は観る人によって本当に意見が変わるし、生きてた派死んでた派(死んでた派の中にもいつどのタイミングで死んだかで派閥がある)超能力使える派使えない派と議論が絶えません!!
周囲に語り合える映画好きがいる人にとっては、鑑賞後とても有意義に過ごせる映画であることは間違いないと思います(*’ω’*)

 

余談ですが、この映画を観たあとマイケル・キートンが「バードマン」に扮する『スパイダーマン/ホームカミング』を鑑賞すると色んな意味で楽しくなると思います(笑)

MCU参戦!映画『スパイダーマン : ホームカミング』ネタバレなし感想

 

 


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ショーン・コネリーの泥棒一家!映画『ファミリー・ビジネス』ネタバレ&感想

人は愛されていることを武器に何でも言えるのさ。

反対に誰かを愛せば――武器を渡すことになる

『恋愛小説家』が観たい。と言ってディスクまで出して来たら、母がおもむろに映画を再生したので「お、気が利くね」と思って観ていた。

あれ?あれれ?これ、恋愛小説家・・・?この人、ジャック・ニコルソンじゃなくない・・・?(笑)

私「ショーンコネリーじゃない・・・?これ」

母「そうだよ?」

私「何再生したの?」

母「”ファミリービジネス”

私「!?!??」

という非常にどうでも良い経緯で見始めた本作。どうやらBSで録画したものを再生したようです。

1990年というともう30年近く前の作品になるんですね・・・

【映画情報】

【原題】Family Business
【制作国】アメリカ
【監督】シドニー・ルメット
【脚本】 ヴィンセント・パトリック
【製作】 ローレンス・ゴードン
【製作総指揮】バート・ハリス、ジェニファー・オグデン
【撮影】 アンジェイ・バートコウィアク
【編集】アンドリュー・モンドシャイン
【音楽】 サイ・コールマン
【出演([]内は役名)】

  • ショーン・コネリー[ジェシー・マクマレン]
  • ダスティン・ホフマン[ヴィトー・マクマレン]
  • マシュー・ブロデリック[アダム・マクマレン]
  • ロザンナ・デ・ソート[エレイン]
  • ジャネット・キャロル[マージ]
  • ヴィクトリア・ジャクソン[クリスティーン]
  • デボラ・ラッシュ[ミッシェル・デンプシー]
  • ジミー・チュウ[B・D・ウォン]
  • ルイス・ガスマン[トーレス]

【公開日(日本)】1990年1月20日
【上映時間】110分
【配給】日本ヘラルド映画
【IMDB】5.7/10.0  (およそ10,300人の評価)

【あらすじ】

ニューヨークに暮らすジェシーは泥棒家業ひと筋に生きる男。その息子ビトーは結婚し、息子が生まれたことを機に泥棒を引退していた。ところがビトーの息子アダムは祖父のジェシーを秘かに尊敬し、新製品の強奪計画を提案。ビトーも父と息子を放っておくことができず、それに加わることに。父子、そして孫から成る泥棒チームは計画を実行に移すが……。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.6/5.0

泥棒一家に起きた悲劇というか喜劇というか。

一応ジャンル的にはコメディに入るらしく、内容は不適切なものを含んでいる(冒頭にそう出る)もののコミカルなタッチでクスりと出来るところも多い。

親子三代揃って一緒に網タイツをかぶり、じいちゃんととうさんがタイツを直し合ったりする場面が可愛くて、強盗中なのに微笑ましく思えてしまう(笑)

父と息子の確執のようなものが

全面的に描かれていて、特に

泥棒稼業に誇りすら持っていそうな破天荒な祖父(ジェシー)

に、育てられ小さいころから盗みの手伝いされて来たことに辟易し、ジェシーを反面教師にして肉を解体する工場でまっとうに勤めている父(ヴィト―)

に、育てられ非常に賢く、奨学金をもらって通った大学をあと少しで卒業というところでドロップアウトしてしまった孫(アダム)。(父よりも祖父を尊敬している)

という三代に渡る”子育て”、”父親としての在り方”が見え隠れする。

ヴィト―はジェシーを毛嫌いして、自分の息子はこんなに頭がよくなって奨学金まで貰った、自分の子育ては正しかった!と言うけれども、どうもアダムはそうは思っておらずヴィト―に腫れものに触るように育てられ、「一人の男として認めてもらった事がない」と言っていた。

そしてアダムは、自分を男として認めてくれる祖父に傾倒していく・・・。

その内容というのが「一緒に泥棒しようぜ!」というものだから、普通の父と息子の物語としては決定的に倫理観がずれているのだけど、そこがまた笑いに繋がるのかな。

バカな親子たちだなぁ、という。

相手の為にすることと、相手が本当に望むことの差異

ヴィト―は、アダムのためにジェシーを売る(自分も自首する)ことで、警察に捕まった息子の刑を少しでも軽くしようとする。それは父親として当然の行動だと私たちの価値観からすると思うんだけど、実はそれはアダムにとっては正しい選択ではなかった。

相手を思ってすることが、本当に本人のためになるのかと言えばそうでもないよなぁ・・・と切なく思いながら観ていた。

親子を繋げる”死”

和解のタイミングは、わりとありがちな”祖父の死”を通じてやってくる。

初めてヴィト―はそこで父のありがたみを想い、息子への謝罪を向ける。

息子もようやく、不器用な父の愛を知る。

家族が祖父の死によって一つになる。

倫理的に色々おかしなことを言っていた映画だったけど、ジェシーが最後に容赦なく終身刑にも当たるような30年近い刑を下された事もきちんと「報いを受ける」結果になっていたし、それなりに話はしっかりしていたのかな。

コメディという点

家族モノとしてのドラマも多分に含まれている+サスペンスに毛の生えたような展開があったりもするので、何も考えず頭を空っぽにして観れる!!という感じの映画とは少し違うかな。

けど、時々クスッと出来るシーンはあります。

ジェシーが刑務所へ送られるトラックの中で威張ってるやつをボコボコにしたら、周りの囚人たちが口をそろえて「彼は転んだだけ」と言うところが大好き。

名優・ショーンコネリーの魅力

ダスティン・ホフマンと比べて立ってるシーンを見るとめちゃめちゃでかいんですよ!!

そのせいかものすごくプロポーションも良くて、高級なスーツを身に纏う姿がカッコいいったらないですね。胸毛を見せびらかしながら入浴するシーンもあって、60とは思えぬ色香を放っています(笑)

ショーン・コネリーは母が大好きな俳優さんで、私もわりと好きなんですが、2006年に引退宣言をしてからスクリーンで観る機会はなくなってしまったんですよね・・・。

彼のファンだという方はぜひ、古い作品も観漁って、彼の若い頃の魅力という物にも浸ってもらいたいなと思います!!

 

 

 


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パニックを捨てたネズミの映画『ベン』ネタバレ&感想

ベン―――死なないで!

以前、感想を書いた『ウイラード』の続編に当たります『ベン』の感想をば!

ネズミが大量に襲いくるCG無しのパニック映画『ウイラード』ネタバレ&感想

こちらも同じく1973年の古い映画なのですが、TSUTAYAのいわゆる名作発掘リストに載っていたようで、新作扱いでレンタルされていたので借りてきました!

前作とは違い、どうやらパニック映画というよりは友情物語に力を入れているようで・・・?

【映画情報】

【原題】Ben
【制作国】アメリカ
【監督】フィル・カールソン
【脚本】ギルバート・A・ラルストン
【原作】スティーブン・ギルバート
【製作】モート・ブリスキン
【撮影】ラッセル・メッティ
【音楽】ウォルター・シャーフ
【歌】マイケル・ジャクソン
【出演([]内は役名)】

  • リー・ハーコート・モンゴメリー[ダニー]
  • ジョセフ・キャンパネラ[クリフ]
  • アーサー・オコンネル[ビリー]
  • メレディス・バクスター[イブ]
  • カズ・ガラス[ジョー]

【公開日(日本)】1973年1月7日
【上映時間】94分
【配給】NCC
【前作】ネズミが大量に襲いくるCG無しのパニック映画『ウイラード』ネタバレ&感想
【IMDB】5.3/10.0  (およそ1850人の評価)

【あらすじ】

孤独な青年ウィラードによって飼いならされたねずみの大集団のボス“ベン”--。奇妙な友情で結ばれていた、このねずみと人間の間に生じた突然の亀裂はウィラードがベンを裏切ったことから始まる。ウィラード殺害の犯人はねずみであることが、巡査部長カートランド(J・カンパネラ)を悩ました。この信じられない事件は続いて発生した。ウィラードの家宅を捜査中の警官がベン一族の巣を発見し、ねずみに殺害されてしまったのだ。町の住民の恐怖をよそに、ダニー少年(L・H・モンゴメリー)だけは、ねずみの脅威に何の反応も示さなかった。ダニーは心臓手術を受けたばかりで、その経過は母や姉のイブ(M・バクスター)を心配させていた。ダニーもまた幼な心に死の危機を予知し、孤独だった。そんなダニーの心の空白を1匹のねずみが生めた。1切れのパンで知り合った少年とねずみの交遊は密かに進んで入った。少年はねずみに、全てを話せる友を求め、ねずみは純粋な少年に裏切ることのない信頼を見いだした。だから、ダニーはねずみの名前があの悪名高いベンと知ってもなお暖かい愛情を贈り、友情の証に「ベンの歌」を作って捧げた。生きるためには人間を敵とするベンもまた、ダニーだけは別格だった。ベンはダニーを秘密の棲家へも案内した。一方、ねずみの駆除に全力を挙げるカートランドでは、下水道の掃除作戦を計画していた。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.7/5.0

今回も、映画.comさんのあらすじがあらぶりすぎていて話のオチまであったので、そこは割愛。

えー、前作とは打って変わって、ネズミと少年との、友情物語になっています!!

続編も続編、なんと『ウイラード』のラストシーンで、ベンにウイラードが追い詰められるシーンから始まっています。そのままの地続きで始まるわけです。なので、あまり間を開けずに鑑賞することをオススメします!

少年がとにかく切ない

ダニーは生まれつき心臓が弱く、外で遊ぶこともあまりできない少年。

自作の人形劇で遊んでは心をいやす日々・・・

そこに現れた、一匹のネズミ!ベン!

ベンも、飼い主に裏切られ家を追われたところで少年ダニーと出会い、彼と友情を育むことで傷付いた心を癒すのだった・・・。

ネズミのパニックホラーはどこいったの?

と思ってしまうんですけど、もうそこはあきらめましょう。

このおどろおどろしいジャケット写真はなんなの?

とも思うんですけど、目をつむりましょう。

この作品は友情物語ですから!!

ラスト、増え過ぎたネズミを町民がみんなでこぞって倒そうとします。

そのシーンが冗長気味です。

しかし、そのすべてを許させてしまう歌「ベンのテーマ」と、ラストの少年の涙に、きっとほろりとすること間違いなし・・・。

マイケル・ジャクソンが歌っていた!

この映画のテーマソングである、「ベンのテーマ」というのは、知らない人などいないであろうあのマイケル・ジャクソンがジャクソン5に居た頃に歌った大ヒット曲なんです。

動画をペタリしておきますね。

この曲がまた・・・切ない。

映画が気になる人でなくても、マイケルのファンならぜひ一度は観て欲しい!

まとめ

前回に引き続き、ベンを演じるネズミの演技も素晴らしいです(笑)

ネズミの演技しか言う事なかった前回とは違い

物語としても心に切なく響く作品になっています。

少年と動物をテーマにした作品に目がない人には、ぜひおすすめしたい一本ですね!

 


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