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切ない恋に隠された秘密。映画『イニシエーション・ラブ』ネタバレ&感想

最後の5分、全てが覆る。あなたは必ず2回見る―――

画像引用元:映画.com

松田翔太×前田敦子のピュアラブ!!!!!!・・・なのか?!

実は私はこの作品を小説版の方でオススメされていて、買ってからずーーーーーっと積んでいる間に映画化(笑)
「映画化されたんなら早く読まないとなぁ」と思いながらもここまで引き延ばしてしまいました(笑)

先日ようやく原作を読了して、「これは映像化無理なんじゃ?」と思い映画の方も観てみることに!!!

東宝さんの情報ページはこちら

公式サイトはもうリンク切れになっていたんですが、サイトアドレスが i love takkun .com だったのに笑ってしまいました(笑)

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】堤幸彦
【脚本】井上テテ
【原作】乾くるみ『イニシエーション・ラブ』
【ゼネラルプロデューサー】奥田誠治
【エグゼクティブプロデューサー】門屋大輔
【プロデューサー】飯沼伸之、畠山直人、小林美穂
【撮影】唐沢悟
【照明】木村匡博
【録音】鴇田満男
【美術】相馬直樹
【装飾】田中宏、山森悠子
【衣装デザイン】宮本まさ江
【ヘアメイクディレクション】池田真希
【編集】伊藤伸行
【音楽プロデューサー】茂木英興
【音楽】ガブリエル・ロベルト
【音響効果】大河原将
【VFXスーパーバイザー】定岡雅人
【助監督】白石達也
【記録】井手希美
【制作担当】篠宮隆浩
【出演([]内は役名)】

  • 松田翔太[鈴木]
  • 前田敦子[成岡繭子(マユ)]
  • 木村文乃[石丸美弥子]
  • 三浦貴大[海藤]
  • 前野朋哉[梵ちゃん]
  • 吉谷彩子[優子]
  • 松浦雅[ナツコ]
  • 八重樫琴美[和美]
  • 大西礼芳[ジュンコ]
  • 佐藤玲[まどか]
  • 山西惇[桑島課長]
  • 木梨憲武[静岡支店部長]
  • 手塚理美[石丸詩穂]
  • 片岡鶴太郎[石丸広輝]
  • 池上幸平[天童]
  • 森田甘路
  • 盛岡龍
  • 矢野聖人
  • 藤原季節

【公開日(日本)】2015年5月23日
【上映時間】110分
【配給】東宝
【映倫区分】G
【IMDB】7.1/10.0  (およそ600人の評価)

【あらすじ】

1980年代後半の静岡を舞台に、奥手で恋愛経験のない大学生・鈴木が、合コンで知り合った女性マユとの日々を通して変化していく姿を描く「Side-A」、就職先の会社で東京本社に転勤することになった鈴木がマユを置いて上京し、本社の同僚・美弥子との出会いで心が揺れる「Side-B」という2つの物語が並行しながら、原作とは異なるエンディングを迎える。【引用元:映画.com

【感想(結末のネタバレもしています!)】

☆3.2/5.0

げ、原作小説よりも面白い・・・!!(笑)

あまり邦画も観ない上に、原作小説と合わせて楽しむ作品が少ないんですが、基本的に「原作の方が面白いだろう」という先入観があるので、これには驚いた・・・。

以下・重大なネタバレをしています!(2度目の主張)

原作・映画どちらかを知ってる方のみ読み進めてください!


映像ならではの、トリックとして魅せる上手さ

今作の一番のキモは、前半パート(A)と後半パート(B)の”鈴木”が同一人物と見せかけて実は別人だったという部分。

更に、A→Bへと時間が流れているように見せかけて、実は前後している部分もある、ということ。

原作では細かな時系列の操作や、鈴木のプロフィールの些細な違いなど、しっかりと読み解けば分かるヒントはあるものの、同じ名字な上に、ヒロインのマユが二人を同じ「たっくん」というあだ名で呼ぶので、彼女が同時進行で二人の男性と交際しているという事実が巧みに隠されています。

と言ってもそれは”叙述トリック”という字の上での仕掛けならではのもの。

「(映画で)顔が出てしまえば別人だと分かるじゃん」と思ったからこそ、映像化は無理なのでは、と考えたんです。

しかし!!!

今作では、そんな心配も拭い去ってしまうような”映像ならではのトリック”にしっかりと切り替えられているんです!!!
パートAの鈴木(以下、鈴木A)は、原作とは違いおデブな設定。そして、マユがプレゼントしたナイキのスニーカーは、全く同じものをどちらの鈴木もプレゼントされている・・・。

「あの二人、全く似合ってなくない?」と周囲に小馬鹿にされたことをきっかけに、鈴木Aはマユに見合う男になろうとダイエットを決意!もらったスニーカーを履いて、ランニングを始める・・・!

この、鈴木Aが走るシーンに、同じ靴を履いた鈴木Bがランニングするシーンを繋げることで

~~か月後、たっくんはこんなにも痩せてイケメンになったのだった――

というナレーションがなくても、鑑賞者は勝手に

「あぁ、痩せたから松田翔太に役者が変わったのね」

と思い込む!!!!!
いやぁ、そんな方法が。と驚かされましたね。

しかも、しっっかりと観ていれば、マユの部屋に鈴木Aがプレゼントしたハードカバーの本を鈴木Bが見つけて「こんな高い本買ってんなよ!」とキレるシーンがあったり、マユが鈴木Aとのデートで着ていたワンピースを後々、鈴木Bとのデートで買ってもらう、というシーンがあったりして、伏線もバッチリ振り撒かれている!!

ネタばらしの分かりやすさ

映像化してもしっかりと騙されるように作られている上に、ラスト5分間でAパートとBパートを時系列順に並びかえてダイジェストで見せてくれるので「原作では少し弱いかな?」と感じたネタばらしの部分もすごく分かりやすくなっていました。

ダイジェストがないままだと、鈴木Bが誰も待っているわけもないホテルへ向かい、過去の自分達を走馬灯のように見ただけ・・・というシーンに思える人もいるかと思います。

しかし、ばっちりと二人を遭遇させ、その上でダイジェストを見せ、実は二人は別人でしたーーーーーー!と分かった上での

前田敦子の「・・・大丈夫ですか?あれ?たっくん?」という台詞!!!

彼女のあのキョトンとした顔!!!!!あの演技があって、原作よりはるかに「女は怖い」という部分を演出出来ていたのではないかな・・・と思うと、本当にお見事なラスト5分間でありました。
ネタを知っていてこれだけ楽しめるんだから、すごいよね。

前田のあっちゃんの演技について

『もらとりあむタマ子』で前田のあっちゃん出演作を初めて観て彼女の演技が大好きになっていたので、今回の若干あざとさ(笑)を感じるマユの演技も、ラスト5分で最高に恐ろしいものに昇華されていて、さすがだな、と思いました。

前田のあっちゃんの映画に失敗無し!(当社比)というかまだ二本しか観てないんですけども(笑)

ラストの改変部分について

原作と違うラスト。それは鈴木Bがマユに会いに行ってしまうという点。

これは映像トリックのネタばらしとして都合が良いから、わざわざ静岡までクリスマスに車を走らせたのであって、あくまで映画の都合ですよね。

この結果は物語としては、というか「イニシエーション・ラブ」というタイトルにもある通り鈴木Bにとってマユとの恋愛は”通過儀礼”でしかなかったんだと知る展開の深みがなくなってしまうので・・・微妙だった、かな、と。鈴木Bがマユのところに戻ってしまえば、どこにも「イニシエーション・ラブ」はなかった・・・って事になるし、一見微笑ましい鈴木Aとマユの恋愛も通過儀礼になってしまうのかな・・・というもの悲しさみたいなものが感じられなくなってしまいますもんね。

トリックやって驚かすのがメインな映画的には、大成功。だけど、物語的には少し微妙・・・そんな印象でした。

 

 


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孤独死を悼む人。映画『おみおくりの作法』ネタバレ&感想

人と出会い、死と向き合い、人生は輝きだす。

これも、映画館で観れて良かったと思える一本。

超高齢化社会に突入して、独居のご老人の増加に比例して、孤独死する人も非常に多くなっている日本では、かなり心に響く人が多い映画なのではないかと思う。

パンフレットはこんな感じ。

B5サイズくらいのコンパクトサイズ、22Pで税込み700円は少しだけお高め・・・。
ジョンが旅した場所が地図付きで載っていました!裏面はこう。

【映画情報】

【原題】Still Life
【制作国】イギリス、イタリア
【監督/脚本/製作】ウベルト・パゾリーニ
【製作】フェリックス・ヴォッセン、クリストファー・サイモン
【撮影監督】ステファーノ・ファリヴェーネ
【編集】トレイシー・グレンジャー、ガヴィン・バックリー
【音楽】レイチェル・ポートマン
【美術監督】リサ・マリー・ホール
【衣装】パム・ダウン
【キャスティング】スージー・フィギス
【ヘアメイク】エマ・スレイター
【出演([]内は役名)】

  • エディ・マーサン[ジョン・メイ]
  • ジョアンヌ・フロガット[ケリー]
  • カレン・ドルーリー[メアリー]
  • アンドリュー・バカン[プラチェット氏]
  • キアラン・マッキンタイア[ジャンボ]
  • ニール・ディスーザ[シャクティ]
  • ポール・アンダーソン[ホームレスの男]
  • ティム・ポッター[ホームレスの男]

【公開日(日本)】2015年1月24日
【上映時間】91分
【配給】ビターズ・エンド
【IMDB】7.4/10.0  (およそ5,750人の評価)

【あらすじ】

ロンドンに暮らすジョン・メイは、孤独死した人を弔う民生係として働いてきたが、人員整理で解雇を言い渡され、自宅の真向かいに住むビリーの弔いが最後の案件になる。これまでも誠実に故人と向き合い、弔いをしてきたジョンだったが、最後の仕事にはいつも以上に熱心になり、故人を知る人を訪ね、葬儀に招く旅を経て、心の中に変化が生じていく。【引用元:映画.com

【感想】

☆3.5/5.0

ロンドンの民生係、ジョン・メイ(エディ・マーサン)。
彼は身寄りなく孤独死した人達の遺品から遺族を探し、一人でも多く葬儀に参列してもらえるよう電話をかける。
しかし大体葬儀に参加するのは彼一人だけ。孤独に生きた彼らをたった一人でおみおくりする。
そんなある日、ジョン・メイのアパートの向かいに住む住人ビリーが孤独死する。仕事が遅いと上司にクビを宣告された彼は、最後の仕事にビリーの遺族を探す旅に出る…。

ジョン・メイとはどんな人?

  • イギリス、ロンドン、ケニントン地区の民生係
  • 勤続22年
  • おみおくりした人は数知れず
  • 妻子無し
  • 笑顔は苦手
  • クロスワードパズルが好き
  • 几帳面、部屋はいつも綺麗
  • 白衣をカバンに常備

ジョン・メイ流のおしごと

  • 亡くなった方の写真を見つけ出す
  • 故人の宗教を探し出す
  • その人に合った弔辞を書く
  • その葬儀にふさわしいBGMを選ぶ
  • 故人の知人を探し、葬儀に招待する
  • 葬儀に列席する

本当に静か

音楽も時々流れるピアノの音色くらいしかなく、とても静かな映画だった。まるでお葬式のような物悲しい静けさ。

淡々と流れる風景をただただ見つめる・・・そういう雰囲気の映画を得意としない人には退屈に思える部分も大きいかもしれない。

ジョン・メイという人の変化

最初は、主人公が故人をしっかり弔おうと奮闘する姿が遺族の心に何かを与える映画かと思ったけれど、それだけじゃなかった。ジョン・メイ自身も家族がないと知った時、この映画は主人公の“生前葬”なんだと思った。
孤独に死んだ人々を一人一人大切に思い弔って写真をアルバムに残す。まるで家族のように。故人に未来の自分の姿を重ね大切にすることで孤独な自分自身をも慰めていたんだろうな。すごくネガティブ。そう、とても几帳面で真面目な主人公だけど、ジョン・メイは最初とてもネガティブな思考の持ち主だと思った。

電車に乗る場面が何度か出てくるが、いつも彼は人のいない車内で進行方向と逆向きのシートに座っている。

しかし旅の終わりに大きな出会いをし、初めて彼は前向きのシートに座るのだ!この演出はきちんと観ていないと気付かないだろうしとてもささやかだけど、確実に彼の心境が前向きに変化した事を表していた。

驚きの結末

そして物語は…ジョン・メイの変化とは別の方向に意外性を見せて終わる。納得出来ない人も多いだろうし、ラストシーンをやりたいがための結末にも思えるけども、私個人としては彼が自分のために行っていた”生前葬”のつもりで観ていたのでとても綺麗にまとめたな、と思えた。

無駄だと言われた仕事での努力も、死んでしまった人達への想いも、全て報われたんだなぁきっと。
彼の後ろ向きな人生の中で輝ける瞬間を見出せたことにとても感動できた。

こんな職業があるんだなーと新聞記事を見て、そこから映画にしよう!と結びつける監督のセンス憧れる。どんな職業にも、ドラマが潜んでるんだもんなぁ。

 

 


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ショーン・コネリーの泥棒一家!映画『ファミリー・ビジネス』ネタバレ&感想

人は愛されていることを武器に何でも言えるのさ。

反対に誰かを愛せば――武器を渡すことになる

『恋愛小説家』が観たい。と言ってディスクまで出して来たら、母がおもむろに映画を再生したので「お、気が利くね」と思って観ていた。

あれ?あれれ?これ、恋愛小説家・・・?この人、ジャック・ニコルソンじゃなくない・・・?(笑)

私「ショーンコネリーじゃない・・・?これ」

母「そうだよ?」

私「何再生したの?」

母「”ファミリービジネス”

私「!?!??」

という非常にどうでも良い経緯で見始めた本作。どうやらBSで録画したものを再生したようです。

1990年というともう30年近く前の作品になるんですね・・・

【映画情報】

【原題】Family Business
【制作国】アメリカ
【監督】シドニー・ルメット
【脚本】 ヴィンセント・パトリック
【製作】 ローレンス・ゴードン
【製作総指揮】バート・ハリス、ジェニファー・オグデン
【撮影】 アンジェイ・バートコウィアク
【編集】アンドリュー・モンドシャイン
【音楽】 サイ・コールマン
【出演([]内は役名)】

  • ショーン・コネリー[ジェシー・マクマレン]
  • ダスティン・ホフマン[ヴィトー・マクマレン]
  • マシュー・ブロデリック[アダム・マクマレン]
  • ロザンナ・デ・ソート[エレイン]
  • ジャネット・キャロル[マージ]
  • ヴィクトリア・ジャクソン[クリスティーン]
  • デボラ・ラッシュ[ミッシェル・デンプシー]
  • ジミー・チュウ[B・D・ウォン]
  • ルイス・ガスマン[トーレス]

【公開日(日本)】1990年1月20日
【上映時間】110分
【配給】日本ヘラルド映画
【IMDB】5.7/10.0  (およそ10,300人の評価)

【あらすじ】

ニューヨークに暮らすジェシーは泥棒家業ひと筋に生きる男。その息子ビトーは結婚し、息子が生まれたことを機に泥棒を引退していた。ところがビトーの息子アダムは祖父のジェシーを秘かに尊敬し、新製品の強奪計画を提案。ビトーも父と息子を放っておくことができず、それに加わることに。父子、そして孫から成る泥棒チームは計画を実行に移すが……。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.6/5.0

泥棒一家に起きた悲劇というか喜劇というか。

一応ジャンル的にはコメディに入るらしく、内容は不適切なものを含んでいる(冒頭にそう出る)もののコミカルなタッチでクスりと出来るところも多い。

親子三代揃って一緒に網タイツをかぶり、じいちゃんととうさんがタイツを直し合ったりする場面が可愛くて、強盗中なのに微笑ましく思えてしまう(笑)

父と息子の確執のようなものが

全面的に描かれていて、特に

泥棒稼業に誇りすら持っていそうな破天荒な祖父(ジェシー)

に、育てられ小さいころから盗みの手伝いされて来たことに辟易し、ジェシーを反面教師にして肉を解体する工場でまっとうに勤めている父(ヴィト―)

に、育てられ非常に賢く、奨学金をもらって通った大学をあと少しで卒業というところでドロップアウトしてしまった孫(アダム)。(父よりも祖父を尊敬している)

という三代に渡る”子育て”、”父親としての在り方”が見え隠れする。

ヴィト―はジェシーを毛嫌いして、自分の息子はこんなに頭がよくなって奨学金まで貰った、自分の子育ては正しかった!と言うけれども、どうもアダムはそうは思っておらずヴィト―に腫れものに触るように育てられ、「一人の男として認めてもらった事がない」と言っていた。

そしてアダムは、自分を男として認めてくれる祖父に傾倒していく・・・。

その内容というのが「一緒に泥棒しようぜ!」というものだから、普通の父と息子の物語としては決定的に倫理観がずれているのだけど、そこがまた笑いに繋がるのかな。

バカな親子たちだなぁ、という。

相手の為にすることと、相手が本当に望むことの差異

ヴィト―は、アダムのためにジェシーを売る(自分も自首する)ことで、警察に捕まった息子の刑を少しでも軽くしようとする。それは父親として当然の行動だと私たちの価値観からすると思うんだけど、実はそれはアダムにとっては正しい選択ではなかった。

相手を思ってすることが、本当に本人のためになるのかと言えばそうでもないよなぁ・・・と切なく思いながら観ていた。

親子を繋げる”死”

和解のタイミングは、わりとありがちな”祖父の死”を通じてやってくる。

初めてヴィト―はそこで父のありがたみを想い、息子への謝罪を向ける。

息子もようやく、不器用な父の愛を知る。

家族が祖父の死によって一つになる。

倫理的に色々おかしなことを言っていた映画だったけど、ジェシーが最後に容赦なく終身刑にも当たるような30年近い刑を下された事もきちんと「報いを受ける」結果になっていたし、それなりに話はしっかりしていたのかな。

コメディという点

家族モノとしてのドラマも多分に含まれている+サスペンスに毛の生えたような展開があったりもするので、何も考えず頭を空っぽにして観れる!!という感じの映画とは少し違うかな。

けど、時々クスッと出来るシーンはあります。

ジェシーが刑務所へ送られるトラックの中で威張ってるやつをボコボコにしたら、周りの囚人たちが口をそろえて「彼は転んだだけ」と言うところが大好き。

名優・ショーンコネリーの魅力

ダスティン・ホフマンと比べて立ってるシーンを見るとめちゃめちゃでかいんですよ!!

そのせいかものすごくプロポーションも良くて、高級なスーツを身に纏う姿がカッコいいったらないですね。胸毛を見せびらかしながら入浴するシーンもあって、60とは思えぬ色香を放っています(笑)

ショーン・コネリーは母が大好きな俳優さんで、私もわりと好きなんですが、2006年に引退宣言をしてからスクリーンで観る機会はなくなってしまったんですよね・・・。

彼のファンだという方はぜひ、古い作品も観漁って、彼の若い頃の魅力という物にも浸ってもらいたいなと思います!!

 

 

 


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危険に歪んだラブストーリー。映画『ピアニスト』ネタバレ&感想

「知的な顔でクソ同然の中身か」

出ましたー!

鬱な映画で検索すると必ず名前が上位に上がる、ミヒャエル・ハネケ監督の至極のラブストーリー!!(笑)

そして主演は、最近「ELLE」でも怪演を見せていたイザベル・ユペール!こじらせた中年女性を演じさせたら彼女の右に出るものはいません!!!

→関連「倫理観が崩壊する不条理スリラー。映画『エル ELLE』感想

対する相手役は、なかなかハリウッドではお見掛けすることの少ない、ブノワ・マジメルさん・・・。今作で一目惚れした俳優さんです。

そして最初に、「好きだと言えば人格が疑われそうな映画ばかり好きですいません」と平謝りしときます。

【映画情報】

【原題】La Pianiste
【制作国】フランス、オーストリア、ドイツ
【監督】ミヒャエル・ハネケ
【脚本】ミヒャエル・ハネケ
【原作】エルフリーデ・イェリネク
【製作】ファイト・ハイドゥシュカ
【製作総指揮】イボン・クレン、クリスティーヌ・ゴズラン、ミヒャエル・カッツ
【撮影】クリスティアン・ベルガー
【美術】クリストフ・カンター
【音楽】フランシス・ヘインズ
【出演([]内は役名)】

  • イザベル・ユペール[エリカ]
  • ブノワ・マジメル[ワルター]
  • アニー・ジラルド[エリカの母親]
  • ウド・ザメル[Dr.ジョージ]
  • アンナ・シガレビッチ[アンナ]

【公開日(日本)】2002年2月2日
【上映時間】132分
【映倫区分】R15+
【配給】日本ヘラルド
【IMDB】/10.0  (およそ人の評価)

【あらすじ】

エリカは、国立音楽院の厳格なピアノ教授。学生ワルターは彼女に恋して授業を受けるが……。【引用元:映画.com

【感想】

☆4.3/5.0

びっくりするほどあらすじが短い!!!(笑)

引用させてもらうのも気が引けるほどの短さですな映画.comさん(笑)

簡単にあらすじを

主人公のエリカは処女をこじらせたような中年女性。母親からの過干渉される日々を経て、倒錯的な性癖?に目覚める。ピアノの教え子であるワルターに求愛され、彼にその倒錯的な欲求を満たしてもらおうとするが、拒絶されてしまい・・・

 

という感じの非常に危険な香りのする物語。倒錯的な欲求というのはいわゆるSMで言うところのマゾ趣味ですね。R15+だからここから先は大人だけ!(と言ってもそんなハードな感想書けません)

そして感想

行き遅れアラフォー女子とプルシェンコ似のケツアゴ美青年との年の差恋愛をアブノーマルかつヒステリックに描いたキュンキュンラブストーリー!!!(当社比)

↑つまり私にとってはこういう作品に見えているよ、という叫び。

オープニングのワンシーン挟みながらのクレジットがお洒落で惹きつけられる演出はさすがの一言。ピアノをガチで弾いてるキャスト陣の身を捧げた演技も本当に良い!

そして物語。
前半のエリカの、彼に対する「気持ちに素直になれないけどあからさまに嫉妬しちゃう、拒絶しつつも露骨にお洒落しちゃう」という少女さが不気味可愛い…。
そこに王子様のような紳士的で笑顔が煌めく彼の猛アタックよ……正直トイレでのキスシーンはキュンしすぎて叫び声を上げずにはいられませんでした。家で一人で観てて良かったと本当に思った。

主人公の狂気性

正直ドMなだけなら特殊な性癖を持ってるだけで全然病気と言うほどでもないじゃんという気持ちで観ていたけども、母親に気持ちをぶちまけるシーンで初めて彼女の”狂気”に気付いた。
抑圧され統制された生活を小さな頃から送ってきたんだろう。父親がいないことも原因の一つかもしれないけど、母親との歪んだ関係ってつくづく人格に問題を起こさせるなぁと悲しい気持ちになる。
(『ブラック・スワン』の主人公も似たような境遇だった。昇華の対象に人ではなくバレエを選んだという違いはあれど、ラストの余韻も似たような印象を受ける)

→関連「衝撃の映画体験!ナタリー・ポートマンの『ブラック・スワン』感想

惹かれあいながらもすれ違う二人

そして、惹かれ合いながらもすれ違う2人…。

ここからは勝手な解釈だけど、主人公はなんちゃってドMだったんだと思う。妄想はしていたけれど、問題はもっと別のところにあってそれに気付けないまま誤った方向に進んでしまったのかな、と。
そして彼の方はというと、実は隠されたSの素質を彼女によって見出されてしまったのではないか?このレビュー冒頭の台詞も彼の言葉の抜粋だけども、手紙を読んでからの彼の言動は仮にも愛した女性に対するものとは程遠い違和感を覚えた。元が紳士的?だし余計に。だからこそ戸惑い、突っぱねてみたり、押し入ってみたり、自分でもわからない感情に流されるままに行動してしまったんだろう。もちろん彼女の希望に沿いたいというのもあるかもしれない、だけどそれだけでは嫌悪したという言葉からは想像できない身の切り替え方をしてると思う。
そう考えると最後の演奏会で会った時の態度も頷ける気がする(これからうまくいけると思った?)。でも彼女の方は絶望している…っていう切なさ。

まとめ

もちろん私が書いてきたのは全て推測(というかほぼ妄想に近いですが)だから他の人と”解釈の相違”があってもそれはそれで良し!!

いわゆるスルメ系映画な気がするので、一度目と二度目でまた感想が違ってきそうな気がするのも楽しいですね。

ぶっちゃけこの作品を苦手に思う人の方が圧倒的に多いと思うので、決してオススメは出来ません。ちびぞうのパーソナル・ラブ映画といったところなので、注意が必要です。

だからこそ、この映画が好き!と言える人とは親友になれる・・・そんな作品です(笑)

 

それにしても「精神の黄昏」「シューベルトの譜面が持つ極端さ」などなど、うまいこと序盤に蒔いた伏線を咲かせて散らす、見事なハネケ節でありました。
大好き!!

 

 


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30年越しの新作!『ブレードランナー2049』ネタバレ&感想

誰かを愛する為には、時には他人にならねばならない―――

来ましたー!2049!

映画館で間に合いました!ゴズリングさんは『君に読む物語』『ラースとその彼女』で大好きな俳優さん。最近は『ラ・ラ・ランド』での活躍もありましたね!

→関連「賛否両論!?映画『ラ・ラ・ランド』ネタバレ無し感想

パンフはこんな感じ。46ページと分厚くて四角くてディズニーのアニメパンフっぽいです。

お値段は税抜き760円。まぁ普通ですね。

これは今回の主役、Kが乗っている車。最高にハイセンス。

中身も、今作のオリジナル用語の解説や、前作から何が起きていたかの年表などもあってこの世界観を深く理解する手助けが沢山!

監督も、『プリズナーズ』や『複製された男』などのドゥニさん。結構好きな監督さんなので映像表現にも期待です。

→関連「先が読めない!異色のサスペンス映画『プリズナーズ』ネタバレ&感想【前編】

【映画情報】

【原題】Blade Runner 2049
【制作国】アメリカ
【監督】ドゥニ・ヴィルヌーブ
【脚本/原案】ハンプトン・ファンチャー
【脚本】マイケル・グリーン
【製作】アンドリュー・A・コソーヴ、ブロードリック・ジョンソン、バッド・ヨーキン、シンシア・サイクス・ヨーキン
【製作総指揮】リドリー・スコット、ビル・カラッロ、ティム・ギャンブル、フランク・ギストラ、イェール・バディック、ヴァル・ヒル
【共同製作総指揮】イアン・マッグローイン、オーサ・グリーンバーグ、
【共同プロデューサー】カール・O・ロジャース、ダナ・ベルカストロ、スティーブン・P・ウェグナー
【撮影】ロジャー・ディーキンス、ASC、BSC
【プロダクション・デザイン】デニス・ガスナー
【視覚効果監修】ジョン・ネルソン
【衣装デザイン】レネー・エイプリル
【音楽】ハンス・ジマー、ベンジャミン・ウォルウィッシュ
【出演([]内は役名)】

  • ライアン・ゴズリング[K]
  • ハリソン・フォード[リック・デッカード]
  • アナ・デ・アルマス[ジョイ]
  • シルヴィア・フークス[ラヴ]
  • ロビン・ライト[ジョシ]
  • マッケンジー・デイヴィス[マリエッティ]
  • カーラ・ジュリ[アナ・ステライン]
  • レニー・ジェームズ[ミスター・コットン]
  • デイヴ・バウティスタ[サッパー・モートン]
  • ジャレッド・レト[ニアンダー・ウォレス]

【公開日(日本)】2017年10月27日
【上映時間】163分
【映倫区分】PG12
【配給】ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
【前作】新作に向けて復習しよう!映画『ブレードランナー(1982)』ネタバレ&感想
【IMDB】8.4/10.0  (およそ145,000人の評価)

【あらすじ】

2022年にアメリカ西海岸で大規模な停電が起きたのをきっかけに世界は食物供給が混乱するなど危機的状況を迎える。2025年、科学者ウォレス(ジャレッド・レトー)が遺伝子組み換え食品を開発し、人類の危機を救う。そして、元捜査官デッカード(ハリソン・フォード)が突然行方をくらませて以来30年の月日が流れた2049年には、レプリカント(人造人間)の寿命に制限がなくなっていた。【引用元:シネマトゥデイ

【感想(おもきしネタバレしています)】

☆3.8/5.0

結構、好き。これ。

一言で言えば、『テクノロジー!』

本当に、最先端のテクノロジーを感じます。映像表現の最高峰って感じ。

きっと、1982年に公開された前作も、当時の人たちにはきっと「最先端」を感じさせるような映像表現だったんだろうなぁ。

スパイク・ジョーンズ監督、ホアキン・フェニックス主演の『her/世界でひとつの彼女』で、現実で言うところのiphoneのsiriさんと恋しちゃう男の話があって、あれもかなり最先端だなー!と思ったんですが今作は更にそれよりも磨きをかけて最先端です!(何回最先端って言うんだ)

レプリカント(人造人間)であるKが、話し相手であり恋仲としてそばに置いている女性はなんとホログラムのバーチャル彼女!その名もジョイ!

もはや人間×人造人間ではないんですよ!

人造人間×機械の恋なんですよ!最先端!!

そして、二人が結ばれるシーンはものすごく印象的。その辺に歩いている娼婦(実際はただの娼婦ではないけど)を連れてきて「彼女と同期すればあなたに抱いてもらえる」という発想!

実際の人間にホログラムの彼女を重ねて、口付けするシーンはもう・・・眩暈がするほど最先端(6回目)。

なんだなんだ。何を見せられているんだ私は。ロマンチックすぎる。切なすぎる。

その他にも、あまり現実味はないんですが未来を感じさせる映像が津波のように押し寄せます!ラストで敵とドタバタする謎の波打ち際とか、地球なんだけど宇宙みたいで怖い。なにここどこなの。おじさんがおぼれちゃう!

Kがデッカードに会いに行ったあと、エルビスなどの古き良き歌手がホログラムで歌って踊るホール(誰もいない)で撃ち合いをするシーンも最高にハイセンスでしたね・・・。

それから、Kの記憶として子ども時代の映像が出てくるんですが、その子ども時代に過ごしていたであろう場所が「階段×ごちゃごちゃしたむき出しの鉄パイプ×焼却炉」のハイブリッドで、工場萌え属性の私を最高に興奮させてくれました。

本当にドゥニさん天才だよ・・・

人造人間が人間を超えていく表現

実はこのテーマは前作でもあったんですが、「人造人間であるレプリカントの方が人間らしさを見せる」というのがこのシリーズの良さであると思っています。

今回は、Kがより人間らしくなり、人なら誰しも一度は妄想するであろう

「この世界の主人公ってま、まさか俺じゃん!?」

という状態に。

(”史上初の奇跡の存在、人間とレプリの子ども”が自分では、と勘違いする場面ですね。本当は子供は男の子ではなく女の子だった)

しかし実際は違うよーんという悲しい現実にガックリと肩を落とす。

これは人生で本当によくある事だと思います。「自分は特別な存在」だと期待する思春期を経てから、社会に出て「自分はたくさんいる人間の一人でしかなく、とてもちっぽけな存在なんだ」と気付く。それはとても人間らしい気付きであり、成長でもあると思うんですが、Kはこの映画の中で人造人間ながらその成長を我々に見せてくれます。

本当にね「自分だと思ったのね?」とか、やめたれよwwと思うんですが(笑)

それでも、「正しいことの為に死ぬのが人間らしさ」という言葉にある意味気持ちを持ち直した彼は、人間らしく「自分は何者なのか」という疑問と絶望を乗り越えたのかなと。感じました。

前述した機械の恋人であるジョイが「彼女は機械でしかなかった」と見せつけられるシーンもあって、人造人間であるKの人間らしさがより際立つ演出になっていて良かったなと。

人間ではないのかもしれないけど、機械ではない。限りなく人間に近い何かは、いずれ人間を超えていく。

そんな最先端なヒューマンドラマ・SFロマンを見せつけてくれましたね!本作はね!

前作ファンにも嬉しい要素もりだくさん

あんまり細かいことには気づけていないと思うんですが、まずオープニングでKがレプリを撃つシーンでは、壁をぶち抜くというシークエンスがありました。

前作のオープニングでも同じように壁をぶち破ってましたね!

同じデッカードというキャラを同じ俳優が演じるというファンなら垂涎モノの演出ですが・・・(そしてその彼が相変わらず弱いところも良い(笑))

なんと!前作のヒロイン・レイチェルが当時とほぼそのままの姿で登場します!!

いやぁ美しかった。CG技術すごい・・・。最近、スターウォーズでも亡くなった俳優さんをCGで再登場させるというのがありましたが・・・。CGも使いようによっては上手い演出になりますね・・・。

まとめ

ありがちなストーリー運びを裏切るちょっとした仕組みがあって、退屈知らず。

前作から引き継いだ”謎の間”が若干の中だるみを感じさせるので、苦手な人はひっじょーーーーに長く感じるかも。

それと、一度この世界観を冷めた目で見てしまうと大体の物が「ギャグ」っぽく見えてしまう可能性もあるかと(笑)デッカードおじさんが溺れかけるシーンは結構ね、来ますね(笑)

 

しかし、一度は観ておいて損はない映像美と音楽と切なさがあります。ぜひとも映画館で!!

落書きファンイラスト

最後に、ちょちょっと描いたちびぞうの絵を載せておきます。

ジョイちゃん可愛かったなぁ・・・

 

 


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新作に向けて復習しよう!映画『ブレードランナー(1982)』ネタバレ&感想

地球に戻ったレプリカントを処分するために―――
ブレードランナー特捜班が創立された。

画像引用元:映画.com

本作は過去に鑑賞済みだったんですが、もはや内容がうろ覚え。

ハリソン・フォードが同一キャラクターを演じるという新作に、ライアン・ゴズリングが出ると聞いて「これは復習せねば!!」となりましたね~。ちなみに観たのはファイナルカットじゃない方のやつです。

いやはや、まさか30年越しに新作が観れるなんて、ファンは嬉しいんだろうな~

前回鑑賞した際のコメントも残っていたので載せたいと思います(*’ω’*)

【映画情報】

【原題】Blade Runner
【制作国】アメリカ
【監督】リドリー・スコット
【脚本】ハンプトン・ファンチャー、デヴィッド・ウェッブ・ピープルズ
【原作】 フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
【製作】マイケル・ディーリー
【製作総指揮】ハンプトン・ファンチャー、ブライアン・ケリー
【編集】テリー・ローリングス
【音楽】バンゲリス
【デザイン】シド・ミード
【出演([]内は役名)】

  • ハリソン・フォード[リック・デッカード]
  • ルトガー・ハウアー[ロイ・バティー]
  • ショーン・ヤング[レイチェル]
  • エドワード・ジェームズ・オルモス[ガフ]
  • ダリル・ハンナ[プリス]
  • ブライアン・ジェームズ[リオン・コワルスキー]
  • ジョアンナ・キャシディ[ゾーラ]
  • M・エメット・ウォルシュ[ブライアント]
  • ウィリアム・サンダーソン[J・F・セバスチャン]
  • ジョー・ターケル[エルドン・タイレル]
  • ジェームズ・ホン[ハンニバル・チュウ(眼球製作者)]
  • モーガン・ポール[ホールデン]

【公開日(日本)】1982年7月10日
【上映時間】116分
【配給】ワーナー・ブラザース
【次作】ブレード・ランナー2049
【IMDB】8.2/10.0  (およそ544,300人の評価)

【あらすじ】

2019年、惑星移住が可能になった未来。レプリカントと呼ばれる人造人間が謀反を起こし、地球に侵入。レプリカント専門の捜査官“ブレードランナー”のデッカードは追跡を開始する。一方、彼は製造元のタイレル社でレイチェルというレプリカントに会い、心を通わせていくが……。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.6/5.0

2015年(2年前に観た時)の感想

初めて!
ハリソン・フォードをカッコいいと思いました!!

こういう、ロボットにも人間の感情のようなものが芽生える系の話は割と好き。
ラストのロイの選択は、ロボットが人間をも超えるということを示唆しているように感じられて、切なくて感動する反面…怖くもある。この映画が作られた当時はAIが自我を持つということはSFの中だけのお話だったかもしれないけども、今は決して夢物語ではないもんね。
それにしても、この映画に出てくる独特な世界観はベイマックスの”サンフランソーキョー”に影響を与えてそう。

空飛ぶ車だけだね〜
なかなか現実にならないのは。

再鑑賞後の感想

うーん音楽と演技、独特の間がハードボイルド!

芸術的でハイセンスな衣装と背景!そして和洋折衷な不思議な世界観!

1980年代の最新テクノロジーがまさにここに!!!

しかし2年経ったらうろ覚えになってしまうという残念な映画!というよりは、私とは最終的に合わなかったという事なんでしょうね。

レプリカントという存在の人間性を描く作品なのですが、意外にも恋愛色が強いんですよね。そして、なぜかそういうストーリーだという事に気付くのにだいぶ時間がかかるという・・・。

この独特の間や演出傾向は、結構人を選ぶなぁ。と思います。

よだん。

それにしても、以前”攻殻のハリウッド実写映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』アニメ版との比較と感想”という記事を書いたときに、ゴーストインザシェルについて調べていたら驚く程多くの人が「ブレードランナーまんま」と書いていたんです。

GICを観たときは今作の事をすっかり忘れていたのですが、見返してみると、本当にまんまでしたね・・・。街並みといい。内容も。

ラストのアンドロイドに恋して逃避行をする、なんて展開も攻殻のアニメ版に全く同じような話がありましたもんね・・・。

でも仕方ないんです。攻殻機動隊も、ブレードランナーの原作である「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の影響を受けていますから。

ブレードランナーの新作ももう観て来ましたが、あれを観て「攻殻じゃん!」と言う人がいそうで(笑)ややこしい!

どちらも同じように見えますが、アンドロイドは人間のように心を持つのか?その魂の在りかは?という点を元人間であり現アンドロイドになってしまった少佐視点と、人間だがレプリカント(アンドロイド)を殺す仕事をしているデッカード視点で描いている全く別の作品。当然ですけどね。

あっ、似てるな!と思う方はぜひぜひ両方の作品を見返していただきたい!

そして両方の作品の味をそれぞれ楽しんで頂きたい!

 

 

 


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生田斗真がトランスジェンダーに。映画『彼らが本気で編むときは、』ネタバレなし感想

「かわいくて、かわいくて、どうしよう」

画像引用元:IMDB

生田斗真がトランスジェンダーを演じる!?ですって・・・!?

これは観るしかない・・・っ!!

しかし劇場公開には間に合わず、DVDでの鑑賞となりました・・・。

公式サイトはこちら

もちろん原作は未読、特に事前情報などもなく観ました。

【映画情報】

【制作国】日本
【監督/脚本】荻上直子
【企画/プロデュース】木幡久美、天野真弓
【プロデューサー】高木徳昭、五十嵐真志、石黒研三
【撮影】柴崎幸三
【照明】上田なりゆき
【美術】富田麻由美
【録音】瀬川徹夫
【編集】普嶋信一
【音楽】江藤直子
【出演([]内は役名)】

  • 生田斗真[リンコ]
  • 桐谷健太[マキオ]
  • 柿原りんか[トモ]
  • ミムラ[ヒロミ]
  • 小池栄子[ナオミ]
  • 門脇麦[佑香]
  • りりィ[サユリ]
  • 田中美佐子[フミコ]
  • 柏原収史[ヨシオ]
  • 高橋楓翔[リンコ]
  • 品川徹[斉藤]
  • 江口のりこ[金井]
  • 込江海翔[カイ]

【公開日(日本)】2017年2月25日
【上映時間】127分
【映倫区分】G
【配給】スールキートス
【IMDB】6.2/10.0  (およそ410人の評価)

【あらすじ】

11歳の女の子トモは、母親のヒロミと2人暮らし。ところがある日、ヒロミが育児放棄して家を出てしまう。ひとりぼっちになったトモが叔父マキオの家を訪ねると、マキオは美しい恋人リンコと暮らしていた。元男性であるリンコは、老人ホームで介護士として働いている。母親よりも自分に愛情を注いでくれるリンコに、戸惑いを隠しきれないトモだったが……。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.4/5.0

うーん。やっぱり思うのは

「ただし美形に限る」感。

リンコさんという可愛らしい人のキャラクターを生田斗真というガチの美形が演じてしまうと、「そりゃ美人だもんなぁ」という気持ちになってしまって集中できない。

その人の内面の美しさとかの描写を役者の造形に頼るのではなく、俳優さんの仕草や脚本で魅せて欲しかったなぁ、というのが一番惜しかった部分。

じゃないと、「気持ち悪い」と思う小池栄子視点に共感する人だって必ずしもいるだろうに、そこに説得力(リアリティ)があんまりなくなってしまうというか。

トランスジェンダーの方々の存在があまり世の中に浸透していないからこそ、そういう人たちを「気味悪がる」という視点は「彼らの表面的なところしか見ていない」という、実は非常に重要なファクターだと思うんですよね。でもその表面上を”おキレイ”に小綺麗に飾ってしまうと、、、嘘くさくなってしまう気がする。

もし、リンコさんがもっと醜男だったら。あんなに早く、姪っ子は懐いただろうか、とか。すごく余計なんですけど、物語に集中出来なかったなぁ。

リンコのトモへの想い

ここも、残念なところ。

預かってすぐにトモを可愛がるリンコさんは、彼女が「子どもである」という1点しか見ていないのではないか?と思えてしまった。

つまりは、トモを一人の人間として気に入るというシーンが少なすぎて「子どもであれば誰でもよいのでは」と思ってしまうんですよね。マキオの子どもを産むことは出来ない。だからマキオの血縁であり、子どもであり、しかもネグレクトされている「可哀そうな子ども」である「トモ」の価値は、それだけに過ぎなかったのでは。と。

そう思ってしまうと、この物語のキモである、血縁ではない人と紡ぐ家族愛だとか、トランスジェンダーという特殊な境遇にいる人が「普通の人となんら変わらない」と交流していく部分が全く映えてこないんですよね。

ミスキャストもあるし、脚本も少し弱かったのかなぁ。

母子の問題、性同一性障害に悩んでいるであろう同級生との絡みなど、もっと深掘りして欲しいポイントも、さらっと見せただけでしたねー・・・。

まとめ

唯一気に入ったのは、性転換した体を供養しようと編み物をするシーン。

 

静かで、優しい良い映画だとは思うんですが、いかんせんメッセージ性が薄く、言いたいことの半分も伝わってこない・・・そんな印象を受ける映画でした。

題材は良いのに惜しいなぁ。

もしかしたら、この作品も原作は素晴らしいのかもしれませんね。

この映画をきっかけにして、原作を読んでみよう、と思える人が少しでもいるのなら、それは良いことだと思います。

 


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第四弾でついに完結!映画『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』ネタバレ&感想

僕たちは、人間の善意について賭けをしたんだ―――。

【画像引用元:映画.com】

遂にウシジマくんの物語も完結してしまいましたね!

山田孝之の新境地というか、本当にハマり役だったなぁと思います。

原作が今、最終章に突入しているっぽいので、ぜひ完結したら矛盾のないように映画版でももう一度やってほしいなーと思っている次第です!

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】山口雅俊
【原作】真鍋昌平『闇金ウシジマくん(ビッグコミックスピリッツ)』
【主題歌】Superfly – “Good-bye”
【イメージソング】Superfly – “天上天下唯我独尊”
【声の出演([]内は役名)】

  • 山田孝之[丑嶋馨]
  • 綾野剛[戌亥]
  • 永山絢斗[竹本優希]
  • 真飛聖[今井万里子]
  • 間宮祥太朗[鰐戸三蔵]
  • YOUNG DAIS[鰐戸二郎]
  • 最上もが[モネ]
  • 真野恵里菜[樫原あむ(新人ちゃん)]
  • 太賀[甲本]
  • 狩野見恭兵[丑嶋馨(14歳)]
  • 湊莉久[“レッド・ペガサス”の初美さん]
  • 天使もえ[財布を落とす女(あやめ)]
  • マキタスポーツ[村井]
  • 玉城ティナ[犀原茜(14歳)]
  • 六角精児[五万円借りに来る男]
  • モロ師岡[榊原]
  • 安藤政信[鰐戸一]
  • 八嶋智人[都陰亮介]
  • 高橋メアリージュン[犀原茜]
  • 崎本大海[高田]
  • やべきょうすけ[柄崎]

【公開日(日本)】2016年10月22日
【上映時間】130分
【映倫区分】PG12
【配給】S・D・P
【前作】豪華キャストで贈る第三弾!【闇金ウシジマくんPart3】ネタバレ&感想
【IMDB】6.3/10.0  (およそ30人の評価)

【あらすじ】

ある日、ウシジマの中学時代の同級生・竹本優希がカウカウファイナンスに現れ、生活のための金を貸してほしいと言うが、ウシジマはその頼みを断る。金を借りられずに事務所を去った竹本は、住み込みで労働ができるという「純愛の家」に入居することになるが、「純愛の家」の実態は、入居者に過酷な労働を強いる貧困ビジネスだった。【引用元:映画.com

【感想】

☆2.7/5.0

今回のお話は、原作漫画の「ヤミ金くん」が土台になっています。

ちょっと今回はツッコミどころが多かったかなぁ。

漫画の良さを潰す実写化問題

竹本という、ウシジマくんの旧知の友。彼はまるで聖人君子のように他人に善意を与えることで自らを滅ぼしていくというキャラクター。

もはや意地になっているのでは。

と思うほどに意固地に、他人のことばかりを優先して自分の人生は崩壊してもおかまいなし。

彼はウシジマくんとは対極の存在として描かれているんだと思いますが、あまりにも自己犠牲が過ぎて「いや現実にこんな人間いる??」と思ってしまうんですよね。そこが漫画だからこそ許されていたキャラクター、ということだったのかなと。

”人間の善意”についての賭けというテーマは非常に面白いので、出来れば漫画らしいキャラクターをもう少し現実に落とし込んで”竹本”というキャラに深みというか現実味を与えてほしかったですね。

(毎回ウシジマくんの話に現実味なんかないじゃないかというツッコミはさておき)

中学校時代のウシジマくんも良い味出してたんですが、少し活舌が気になってしまったかなぁ・・・。邦画はたまに何言ってるか聞き取りずらい時があるのが難点ですね。

みんながみんな近所に暮らしすぎだろ問題

映画を観ているとたまにあるんですが、

「こいつとこいつが友達だった、過去に因縁があった、同級生だった恋人だった」などなど・・・出てくるわ出てくるわ芋づる式に知り合いが!!!

どんだけ狭い町に住んでるんですかね?

と思ってしまって、そこも現実感がないところ。

主要キャラがほとんど全員幼馴染、みたいなのはもうちょっとなんとか変更してもらいたかったところ。

良かった点

なんだかんだ観ていて楽しい、という点と、

ウシジマくんが竹本について考えるシーン。

かなり長めに尺を取っていて、あまり感情表現をしないウシジマくんの後悔や行き場のない悲しみの気持ちを感じ取ることが出来ます。

ラストで甲本が財布を拾うシーンも泣ける!あれが、誰も見ていない場所で行われた善行だという演出も憎いですね。

竹本は踏んだり蹴ったりで何も良いことがなかったようにも見えますが、実は密かに報われていて・・・本当はウシジマくんの方が賭けに負けていた。そう思うとラストのウシジマくんの長めのシーンも切なさが増します。

ウシジマくんは決して良い人ではない(というか犯罪者)んですが、ダークヒーロー的なカッコよさがあって、そこにちょっとだけ憧れてしまうんですよね。

(エンドロール後に、これこれは犯罪です決して真似をしないように!と注意書きが出るのが面白い(笑))

彼がどうしてああいう仕事をするようになったのかという背景部分は原作でもまだ描かれていないので、そこも今後観れればいいなぁ。

そして、そのシーンもぜひ山田孝之に演じてほしいものです。

 

 


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松潤×有村架純の純愛系?映画『ナラタージュ』ネタバレ&感想

一生に一度の恋。

わたしには、あなたでした。

ゾンビ映画とか洋ホラーばっかりじゃなくてですね、たまには観ますともこういう系の邦画を!

どうも、ちびぞうです。

一足先に観ていた友人の「松潤のダメ男っぷりがすごい!」という言葉に後押しされ、予告編の良さにも惹かれて映画館へと足を運びました。

最近の類似映画として『先生、、、好きになってもいいですか』とか『PとJK』などがありますね。生田斗真×広瀬すず、亀梨君×土屋太鳳ちゃんという風にきちんと旬の俳優陣が被らないしているのは偉い。

ネタが似るのはハリウッドと一緒だなぁ~今の流行りなのかな。それとも、JKの恋物語というのは不変の人気を誇っている物なのでしょうか。

脇道にそれました!パンフはこんな感じ。

すでにこの時点で松潤の口元に目が行ってしまいます。

裏側

A4サイズを超えてそうな、かなり大判です。

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】行定勲
【原作】島本理生
【脚本】堀泉杏
【製作】佐野真之、市川南、藤島ジュリーK.、堀内大示、弓矢政法、倉田泰輔、高橋誠、荒波修、古賀俊輔、吉川英作、小川真司
【エグゼクティブプロデューサー】豊島雅郎、上田太地
【プロデューサー】小川真司、古賀俊輔
【共同プロデューサー】吉澤貴洋
【撮影】福本淳
【編集】今井剛
【音楽】めいなCo.
【主題歌】adieu – “ナラタージュ”
【出演([]内は役名)】

  • 松本潤[葉山貴司]
  • 有村架純[工藤泉]
  • 坂口健太郎[小野怜二]
  • 瀬戸康史[宮沢慶太]
  • 市川実日子[葉山美雪]
  • 大西礼芳[山田志緒]
  • 古館佑太郎[黒川博文]
  • 神岡実希[塚本柚子]
  • 駒木根隆介[金田伊織]
  • 金子大地[新堂慶]

【公開日(日本)】2017年10月7日
【上映時間】140分
【配給】東宝、アスミックエース
【IMDB】6.4/10.0  (およそ5人の評価)

【あらすじ】

。大学2年生の泉のもとに、高校時代の演劇部の顧問・葉山から、後輩たちの卒業公演への参加を依頼する電話がかかってくる。高校時代、泉は学校になじめずにいた自分を助けてくれた葉山に思いを寄せていたが、卒業式の日に起きたある出来事を胸にしまったまま、葉山のことを忘れようとしていた。しかし1年ぶりに葉山と再会したことで、抑えていた恋心を再燃させてしまう。一方、葉山もまた泉に対して複雑な思いを抱いていた。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレ注意)】

☆2.8/5.0

純愛系なのか?という大いなる疑問が残る今作・・・。

松潤の口元が気になりすぎる!

松潤ももう34歳なんですねー!

いやー・・・それにしても口元が気になる!!

ほうれい線というか、なんだろう、口元がネズミのようなんですよ・・・。別に貶したいわけでもなく普通に・・・。重めの黒縁眼鏡に、目の上ギリギリの前髪、きっと諸悪の根源はそこなんですよ。余計に口元が強調されてしまってですね。演技に集中出来なかったなぁ・・・。

しかも、葉山先生というキャラクターの内向的な感じというか、影があって温厚で口数少なめな感じを演出するのに基本的に笑ったりするシーンもほとんどなく。への字にすると余計に口元がね・・・。

物語の核心は”片思いの連鎖”

松潤の口元のことばかり書いていても怒られそうなのでストーリー部分にも触れていきたいと思います。

この話の核心は「自分にとっての特別な人(死ぬほど欲しくても手に入らない相手)への思慕」の物語。特に、”過去に焦がれた相手”という観ている人が自分の青春時代や大恋愛していた時代に思いをはせるタイプの映画です。

松潤に対する有村架純の想い、そして有村架純に対する坂口健太郎の想い。想いの連鎖。

もし、松潤にとっての”特別な人”というのが有村架純であったならば、大恋愛の純愛ストーリーとなってしまうところだと思うんですが、そうはならない。

松潤には松潤の”特別な相手”が有村架純の他には別にいて、有村架純の想いもまた切なく届かないまま終わってしまう。

張り巡らせられた伏線が上手い

実は上で書いた”片思いの連鎖”というのはネタバレでも何でもないと思っているんですよね。

というのも、かなり序盤から、「この映画はそういう内容の物ですよ」と示唆するシーンが随所にちりばめられているから。

まず話の構成が「有村架純が過去を回想する」というものであるところから、「すでに終わっている話なのだろう」と予測出来る点。

それから、早い段階で松潤になんらかの女性に対するトラウマ的な出来事が起きたと思わせるシーンが挟まれていること。そしてその相手が誰なのか、ここがポイントなのは言わずもがな。

二人が映画好きであるという共通点を知るシーンの中に、トリュフォーの『隣の女』(私はまだ未見ですが)という映画の「一緒に居ると苦しいのに、あなたなしでは生きられない」という台詞が抜粋されています。この映画は、実は実を結ぶことのない愛を描いた悲恋の話なんですよね。その内容と台詞から、ナラタージュの登場人物たちもそれぞれが相手に対し「その人でなければダメなのに、叶うことがない恋愛をしているのかな」と予想しました。

そしてこういったエピソード的な伏線以外にも、松潤のはねた髪に引っかかった桜の花びらが、有村架純の手で取られることはなく落ちていく・・・という1シーンにも「うまくいかない二人」という暗示があったように思いました。

そういう不穏さを感じさせ、最初からこの恋はダメになるよという前提で切なく見せようという構成は良かったと思いました。

結局のところ純愛なのか

個人的には、この映画の登場人物たちはみんなとても利己的だったなぁ、と思うんですよね。するとどうしても、純愛映画・・・ではないのかもしれない。と感じました。

松潤も、卑怯な方法で自分の弱さ苦しさを誰かに救って貰おうとする部分しかないので、そこがどうしてもダメ男に見えてしまうのかもしれないですが、言ってみれば有村架純が坂口健太郎にしたことも、全く同じようなことだと思うんですよね。

そして坂口健太郎も、嫉妬にかられて大事な人を大切にするという部分を見失ってしまう。

本当に自己中心的な恋愛しかしてない!みんなが!

(個人的には、純愛ならもっと自己犠牲的な愛の物語が好みだなぁ・・・)

監督はパンフレットで、”曖昧な関係”を描きたかったと語っていたし、”男はこういうもの”とも言っていました。だからきっとこの映画は、演出の仕方と監督の思惑に多少のズレが生じていて、それが鑑賞後の違和感に繋がっているのかな、と感じてしまうんですよね。

だって予告編を見る限りでは純愛っぽいんだもの!!!鑑賞者と監督のイメージのズレがあります!

まとめ

打ち上げ花火~、でも思いましたが、主題歌が良いと良い映画を観たような気になるから不思議ですね(笑)

イケメン俳優と可愛い女優の組み合わせでキュンキュン出来る恋愛映画とは違って一癖あるというか、少し男性的な目線で描かれている作品だと思うので注意が必要です。

あんまり、今付き合っている人と一緒に観るよりかは、一人で、かつての恋愛に思いを馳せつつ鑑賞してみる・・・という見方が正しいのかもしれませんね。

 

トリュフォーの『隣の女』も、面白そうなのでそのうち観てみる予定です!

 


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日本のアニメ―ション技法を満喫しよう!ジブリ映画『かぐや姫の物語』ネタバレ&感想

姫の犯した罪と罰

画像引用元:映画.com

当時、御門のアゴ祭りがネット上で開催されていたり、非常に盛り上がっていましたよね(笑)

肝心の映画としての評判はどうかと言うと、私の周りや目につくところではとにかく批判しか聞かなかったのである程度覚悟を持って観ました(それでもDVDですが)。

【映画情報】

【制作国】日本
【監督/原案】高畑勲
【原作】竹取物語
【脚本】高畑勲、坂口理子
【製作】氏家齊一郎
【製作名代】大久保好男
【企画】鈴木敏夫
【プロデューサー】西村義明
【人形造形・作画設計】田辺修
【美術】男鹿和雄
【作画監督】小西賢一
【音楽】久石譲
【主題歌】二階堂和美「いのちの記憶」
【声の出演([]内は役名)】

  • 朝倉あき[かぐや姫]
  • 高良健吾[捨丸]
  • 地井武男・三宅裕司(特別出演)[翁]
  • 宮本信子[媼]
  • 高畑淳子[相模]
  • 田畑知子[女童]
  • 立川志の輔[斎部秋田]
  • 上川隆也[石作皇子]
  • 伊集院光[阿部右大臣]
  • 宇崎竜童[大伴大納言]
  • 古城環[石上中納言]
  • 中村七之助[御門]
  • 橋爪功[車持皇子]
  • 朝丘雪路[北の方]
  • 仲代達矢[炭焼きの老人]

【公開日(日本)】2013年11月23日
【上映時間】137分
【映倫区分】G
【配給】東宝
【IMDB】8.1/10.0  (およそ24,000人の評価)

【あらすじ】

今は昔、竹取の翁が見つけた光り輝く竹の中からかわいらしい女の子が現れ、翁は媼と共に大切に育てることに。女の子は瞬く間に美しい娘に成長しかぐや姫と名付けられ、うわさを聞き付けた男たちが求婚してくるようになる。彼らに無理難題を突き付け次々と振ったかぐや姫は、やがて月を見ては物思いにふけるようになり……。【引用元:シネマトゥデイ

【感想】

☆3.7/5.0

これがまぁ予想に反して面白かった!
3、4回は泣いてしまいました!

内容がまんま竹取物語。この話を知ってる人からしたら新しい要素はあまりないし退屈に思うのも理解出来るんだけど自分はそんなに問題なかった!(キャラメイクもなかなか面白い)

むしろ原作の、うろ覚えの所や謎に思ってたところを上手く補完してくれてると思います。

泣いたシーンまとめ

まず最初の泣いたシーン。

かぐや姫が宴の夜、家を飛び出し山へ向かって爆走する!!(CMでもやってたシーン)
正直、あの水彩画風の技術が評価が高いと聞いて「ぇぇ?うそやん」と舐めてかかっていた私はこのシーンで反省しキリリッと正座した!疾走感、色合い、雑さが味になる筆使いに感動と鳥肌で涙が止まらなかった。

そして次に泣いたシーン。

捨丸との再会(街中)。声をかけたくてももうかけられない。見つめ合った数秒間で色々な想いが溢れたと思うんですよ!見てて辛くなるシーンでしたね~。

最後は大っ好きなラストシーン!

切ない場面に不釣り合いな、とっても平和で明るい音楽が天人たちの非情さ(本人たちにとっては当然のことで、酷いことをしている自覚などはない感じ)が引き立ちます。あのシーンが素敵すぎて観終わったあとラストだけを2時間ループさせました笑。サントラ欲しい!

音楽を貼っておきます。

(夢オチに見せかけて一度死んだであろうかぐやを生き返らせたりしてるし)物語を裏で操るような天人たちをひどい!怖い!という見方も出来るんだけど、それはあくまで地球人の感覚なんでしょうね。ネットで「天人たちは魔法少女まどかマギカで言うところのキュウベェだ」って意見を見てすごく納得しました。(わからない方すみません汗)
逆にその怖いって感覚があれば立派に地球で生きてる証拠だな、と思ったり。思いながら泣いたり。

それからあのラストには、今まで何があっても穏やかだったお婆さんが初めて声を荒げる(叫ぶ)シーンがあって、そこも泣けるポイントです。

今までおじいさんの一歩後ろで夫を立てていたから本当にかぐや姫のしたい生き方をさせられなかったことは自覚してたでしょうね。かぐや姫の幸せを願いつつも苦しめてしまったことはある意味で自業自得のように両親の身に返ってきたわけだけども…それでも愛している!という気持ちだけが伝わってきて切なすぎました。
もっと早くから夫婦で向き合えたらあんな結果にならなかっただろうし、防げたと思うんです。

これって現実の子育ても同じでしょうかね。理想を追いすぎて子供を見失うってところが。だから罪と罰というのはかぐや姫に対してでもあり、おじいさんお婆さんに対してでもあったワケで…必然的なラストなのだと思います。
そして決して悲しいだけじゃない。かぐやが地球を愛した気持ちが最後の最後に表現されてるし、あれはあれでハッピーエンドとも取れる(気がする)んです。

まとめ

総合的に見るとエンターテイメントとして観る作品ではないけども、人によっては相当好きになれる良作だと思います。

ただ、最後の最後まで捨丸に期待していた私は相当ハリウッドに毒されてる感はありました。(笑)
反省。

それから、問題の顎については散々ネットで触れられている(いじられている)のであえて割愛していますが、ちょっとアレは悪意あるというかなんというか(笑)

やりすぎですよね!

 

 


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干物女がボクシングに目覚める!映画『百円の恋』ネタバレ&感想

―――どうせ、百円の価値しかないんで

安藤サクラ大好きなんですよねー!!

といっても、『贖罪(ドラマ)』『愛のむきだし』くらいしか観たことないんですが・・・。良い女優さんですよね。味があって。

今作はずっとずっと観たかったんですが、なかなか手を付けられず。この作品が影響を受けたというスコセッシ監督・ロバートデニーロ主演の『レイジング・ブル』もばっちり予習したんですが・・・段々その記憶もなくなってきてしまいました(笑)

それにしても新井さんは最近本当に良く見かけるというか、どこにでもいるなぁ(笑)嫌いじゃないんですけどね!

【映画情報】

【制作国】日本
【監督】武正晴
【脚本】足立紳
【エグゼクティブプロデューサー】加藤和夫
【プロデューサー】佐藤現、平体雄二、狩野善則
【製作】間宮登良松
【音楽プロデューサー】津島玄一
【音楽】海田庄吾
【主題歌】クリープハイプ – 百八円の恋
【編集】洲崎千恵子
【出演([]内は役名)】

  • 安藤サクラ[斎藤一子]
  • 新井浩文[狩野祐二]
  • 稲川実代子[斎藤佳子]
  • 早織[斎藤二三子]
  • 宇野祥平[岡野淳]
  • 坂田聡[野間明]]
  • 沖田裕樹[佐田和弘]
  • 吉村界人[西村]
  • 松浦慎一郎[小林]
  • 伊藤洋三郎[斎藤孝夫]
  • 重松収[ジムの会長]
  • 根岸季衣[池内敏子]

【公開日(日本)】2014年12月20日
【上映時間】113分
【映倫区分】R15+
【配給】SPOTTED PRODUCTIONS
【IMDB】7.3/10.0  (およそ1,000人の評価)

【あらすじ】

実家でひきこもり生活を送る32歳の一子は、離婚して出戻ってきた妹とケンカしてしまい、やけになって一人暮らしを始める。100円ショップで深夜勤務の職にありついた一子は、その帰り道に通るボクシングジムで寡黙に練習を続ける中年ボクサーの狩野と出会い、恋をする。しかし幸せも長くは続かず、そんな日々の中で一子は自らもボクシングを始める。【引用元:映画.com

【感想】

☆4.0/5.0

いやもう最高ですよね!!

ちなみに予習した『レイジング・ブル』は観ても観なくても楽しめる作品だと思いました。でも。監督の狙いというか趣味が分かる気がして、観ておくのも一興かと。

安藤サクラの駄目女っぷり

32歳にして独身、実家暮らし、仕事もしていない。そんな女性が主人公なんです。

序盤のだるだるにたるんだ腹を掻く仕草とか、小学生の甥っ子をテレビゲームでぼこぼこにするところとか、ぼっさぼさの頭のまま降りて来て店の商品をつまみ食いして文句つけるとか、他人の乗ってた自転車を何も言わずに借りてそのままコンビニに行くとか、本当に酷い(笑)

酒は飲むは煙草は吸うわ、男っ気もないしで「生きていく気力は本当に最低限しかありませんよ」って感じのキャラクターが凄い。

そして何が凄いってそのダルダルした主人公の後半の覚醒っぷりですよ。

「安藤サクラ、かっこいい・・・!」この一言に尽きる!

序盤のダルダルが非常に効いて来るんです。

主人公の一子は、新井浩文扮する狩野に惚れたというよりは、ボクシングそのものの魅力に惚れたと言っても間違いではない。

そして我々観客も、一子を通してボクシングに惚れる。そんな作品なんです。

エンディングも最高

クリープハイトの「痛い痛い、居たい居たい」と連呼する曲もボロボロになった一子に合っていて最高でしたね。

そしてラストの新井浩文の憎い事、憎い事!

一子がボクシングの試合の入場曲に、勤めていた百均ローソン(のような百円均一の店)のCMソングを選んだ時に、「どうしてこの曲なんだ?」と聞かれ「どうせ百円の価値しかない女なんで」と答えるんです。涙腺崩壊しました。

一子の今までの人生を振り返ってみると確かに、百均で買われたような事ばかり起きていたし、男性にもそれくらい軽く扱われていた。

そんな自分をあえて表現する曲として選ぶ皮肉さ。でもそこが、ボクシングを通じて別の自分へと変わるために必要な儀式であったようにも思えて。ものすごく感動したんです。

その結果、彼女は変われた。その変化は対人にも表れています。

その証拠に、ラストで泣きじゃくる一子に対し、狩野は安易に抱き締めたりしない。

思い出してください、彼が一子のアパートに来てすぐ、風邪を引いた一子が泣いていると狩野はすぐに抱き締めましたよね。そして男女の関係になった。あの安易さがなくなっている!ただ性的対称としての女というだけではない、仲間意識というか、尊敬の念のようなものが、狩野の中で芽生えたのかもしれません。

あのラストで間違いなく一子は「百円の価値」ではなくなったんだと確信したんです。

まとめ

決して、後味爽やか!なボクシング映画とは違います。とても陰気な雰囲気が終始漂っているというか。

結局のところ最後は負けてしまっているわけだし、エンタメとしては観れないと思います。

ボクシング好きな人から見たら、安藤サクラの戦いっぷり、練習っぷりはどう映るんだろうー!プロ顔負けなほど強くならないというところも、リアリティがあって良かったと思います。

ちょうど私も一子と同じ世代なので、あれだけ熱く何かに打ち込んでみたいなぁと思いました。まる。

 

 


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韓国の名作ゾンビ映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』ネタバレ&感想

生か死か――時速300km超のノンストップ・サバイバル!

たまらんですよこの邦題のセンス(笑)周囲の映画館でやっているところがあまりないのでDVDで良いかなと思いきや、周りがけっこう褒めるもんですからね、これは観ておかねば!?という空気を感じ取りました。

韓国もののゾンビ映画ですよ!?韓国の映画は5本の指で数えられる程度にしか観ていないので、全くの未知の世界でした(笑)

パンフはこんな感じ。

うーんなんとも言えない普通なデザイン。特筆することのない縦長A4サイズでツルツルの表紙、18P税込み700円は少な目。しかし新幹線のイラストと共に、登場人物がどこにいたのかなど図で表されていてわかりやすい!

【映画情報】

【原題】부산행 (英題:Train to Busan)
【制作国】韓国
【監督】ヨン・サンホ
【脚本】パク・ジュソク
【エグゼクティブプロデューサー】キム・ウテク
【プロデューサー】イ・ドンハ
【共同プロデューサー】キム・ヨノ
【撮影】イ・ヒョンドク
【照明】パク・ジョンウ
【美術】イ・モグォン
【衣装】クォン・ユジン、イム・スンヒ
【編集】ヤン・ジンモ
【音楽】チャン・ヨンギュ
【出演([]内は役名)】

  • コン・ユ[ソグ]
  • キム・スアン[スアン]
  • チョン・ユミ[ソンギョン]
  • マ・ドンソク[サンファ]
  • チェ・ウシク[ヨングク]
  • アン・ソヒ[ジニ]
  • キム・ウィソン[ヨンソク]

【公開日(日本)】2017年9月1日
【上映時間】118分
【配給】ツイン
【IMDB】7.5/10.0  (およそ73,000人の評価)

【あらすじ】

ソウルでファンドマネージャーとして働くソグは妻と別居中で、まだ幼いひとり娘のスアンと暮らしている。スアンは誕生日にプサンにいる母親にひとりで会いにいくと言い出し、ソグは仕方なく娘をプサンまで送り届けることに。ソウルを出発してプサンに向かう高速鉄道KTXに乗車したソグとスアンだったが、直前にソウル駅周辺で不審な騒ぎが起こっていた。そして2人の乗ったKTX101号にも、謎のウィルスに感染したひとりの女が転がり込んでいた。主人公のソグ親子のほか、妊婦と夫、野球部の高校生たち、身勝手な中年サラリーマンなど、さまざまな乗客たちが、感染者に捕らわれれば死が待ち受けるという極限状態の中で、生き残りをかけて決死の戦いに挑み、それぞれの人間ドラマが描かれる。【引用元:映画.com

【感想(ネタバレ盛りだくさん)】

☆3.9/5.0

ダサい邦題に釣られB級ホラー映画ファンが押し寄せて「何だこれは名作じゃないか!」って鼻水垂らす系のやつです(笑)

全体的にセンスが良い

この監督はアニメ畑出身のようですが、映像が結構斬新というか、間違いなく今まで観てきたゾンビ映画にはない緊迫感、スリルが味わえる構造、色味があってどれもセンスが良いです!

例えば

  • 何かが漏れたということで区画閉鎖している道を通ろうとするトラックが、鹿をひき殺す。すると、トラックが走り去った後、その死んだはずの鹿がムクムクバキバキ起き上がる。ゆっくり鹿をクローズアップすると、その瞳は薄白く濁っていた・・・というオープニングシーンからもう素敵。目を惹かれます!
  • 横倒れになりかけた新幹線に押しつぶされそうになるシーン。逃げ場はなく、迫ってくる新幹線の窓に大量のゾンビが張り付いてガラスをばんばん叩いている!!潰されるかもという恐怖と、ゾンビがガラスを割って落ちてくるかもという二重の恐怖。楽しいなぁ。
  • 列車の後ろにゾンビが一匹(一人?)ぶら下がって引きずられ、そいつにまた別のゾンビが飛びついて引きずられ、更にまた別のゾンビが・・・と大量のゾンビが列車にミノムシのミノのようにくっ付いていく・・・というシーン!重さと摩擦で止まりそうになる列車!必死にぶら下がるゾンビの足を蹴る主人公!いやぁこのシーンは圧巻でしたね。

どのシーンも大体ハラハラしたし、新しかった。

今作のゾンビ

  • 走るゾンビである(非常に足が速くてそこそこ力も強くて元気)
  • 夜目がきかない(暗闇では音に反応する)
  • 齧ってから即ゾンビ化するものもいれば、意外に時間がかかるものもいる
  • 血は赤い派
  • 原因はバイオ系の会社からのウイルス流出・・・?

走るゾンビに抵抗がある私ですが、シチュエーションや脚本も含め撮り方が面白いせいか普通に楽しめました。

新幹線という媒体

ゾンビものが流行る時、「どこでゾンビから逃げ回るか」という部分は非常に大事。

特に、異国の映画でありながらショッピングモールのような”身近で分かりやすい場所”というのは、状況を想像するのに容易で、世界観に入り込みやすくなると思うのです。

今回の新幹線という場所は、きっと誰しも(乗ったことがない場合でも)一度は目にしているもの。作りも日本の物と似ていて、客席のある部分、連結の部分、連結部分に存在するトイレなどなど。とても親しみがあります。

そこでゾンビが入り込んで来たらどうなってしまうのか?無理のない展開で、ものすごいスリルがありました。本当にこうなりそう!

ヘッドショットしないよ!

韓国が銃社会なのかどうか私には分かりませんが、今作では銃を用いてゾンビを倒すシーンが一つもありません。

あるのは猛ダッシュで逃げるシーン、そして体と体のぶつかり合い!

成金親父のような図体をしていたおっさん(妊婦の夫)が文字通り人肌脱ぐと、熱いマッスルマンに早変わり!椅子の背に両手をついてドロップキック!からの首折りやら肘鉄やら・・・強い。頼もしい!漢(おとこ)!

主人公も警官隊の盾を使ってフォロー!野球少年もバットを振り回す!かと思えば、トンネルの暗闇でこそこそする(笑)

楽しいですねー。今作のゾンビの設定と、「新幹線」という逃げ場のない密室を最大限生かした映画でした。

泣かせるシーン盛りだくさん

実はすごく泣けるのです。

野球部員の中で自分だけ助かってしまったと泣く少年。新幹線内を主人公とおっさんと共に彼女のいる車両までゾンビの中を突っ切らないといけないという状況の中、ゾンビと化した野球部員たちと再会し、どうしてもバットが振るえない。切ない。

それから、おばあさん姉妹。人の世話ばかりするお節介な妹とはぐれてしまった姉。その再会は残酷で、集団パニックに陥った乗客に扉を閉鎖され、ガラス扉1枚挟んだ目の前で妹がゾンビに襲われてしまう。「こんな最期でいいのかい?本当にあんた損ばかり」と切ない。

マッスルマンの最期も切ない。手を齧られ感染してしまい、家族を守るため一人でドアを押さえる・・・。「赤ちゃんの名前はまだ決まってないの。この人が決めてくれなくて」と妊婦である妻が序盤で語っていましたが、その妻を逃がそうとする瞬間、「その子の名前は○○だ」と叫ぶんです。切ない。

そして、主人公。彼は最初「自分勝手な人間」として描かれていますが、ゾンビとの諸々を通して「他人を思い遣れる人間」へと変わっていくんです。そこも良い。ラスボスの自己中さも、前半の主人公との精神的な決別を表しているようで良かったですね!!

物語の中盤で主人公のした選択によってこの状況が引き起こされたかもしれないと知らされる。自責の念に駆られ涙する主人公。この時点で死亡フラグ立ったかな・・・とは思ったんですが。おの死に様が最高に泣けました。噛まれて、ゾンビへ変異する瞬間、娘が生まれて初めて抱くときの事を思い出して、笑うんです。ゾンビの顔で笑うその表情の切ないこと切ないこと!思い出しただけで涙腺が。そのまま彼が列車から落ちる姿を影だけ映すのも、センス◎でした。

ラストシーンの歌唱シーンは「音に敏感っぽいゾンビなのに、視界の悪いトンネルの中で歌うのは多少不自然ではないか」と思ったものの・・・あの状況で兵たちに気付いてもらうにはああするしかないですもんね。あれもきちんと伏線を回収していて、上手だなぁこの監督は。と思いました。

まとめ

映画館で、とまでは行かなくとも、ゾンビファンにはぜひとも観て欲しい一本です。

最近は、「アイアムアヒーロー」も面白かったし、アジア圏のゾンビ映画も頑張っていますねー!飽和状態かと思いきやまだまだ面白い映画が出てくるホラー界。

今後にも期待です!

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