前作から23年!『28年後…』まさかの公開

本当に28年後に公開してくれてたらもっと面白かったかなとは思うんですけど、監督を務めているダニー・ボイルももう御年68歳。今作はなんと三部構成だという事なので、あと5年は待てなかった事でしょう。長らくブログをお休みしていた私も、今作を劇場へ見に行ったのをきっかけに、久々にキーボードを叩いています。

あらすじ(ネタバレ注意)

※概要ではなく、オープニングからエンディングまで覚えている限りのことを書いていきますので注意してください。

今作のレイジウイルスがパンデミック後にどうなったかというと、どうやらイギリスは諸外国に見放され、隔離状態に。定期的に海から外国の巡視船が見張り、感染者が外に出ていないか監視されている様子。アイルランドの国民の一部は、とある島に逃げ込み(元から住んでいたのかもしれない)ウォールマリアの中で暮らす人々よろしく独自の文化を形成しながらひっそりと生きていた。そして、28年後──が今作の時間軸。

オープニングはスコットランドのとある教会。感染者たちに襲われる中、小さな子供が教会へと逃げ込む。そこには父親である神父の姿が。しかし神父は「これは救いだ」と抵抗もせず、襲撃のさなか息子にロザリオを託す。生き残った息子は問う。「なぜ自分は生き残ったのか」と。
そして28年が経過。場面は変わりアイルランドの島へ。この島では14〜15歳になると、鍛えた弓の技術を持ち干潮の時だけ渡れるようになる道を通って本土へ向かう。(戻ってくると盛大な宴が開かれる。通過儀礼の儀式なのかもしれない)主人公のスパイクは例外的に12歳で父親と共に本土へ向かい、そこで新種の感染者である「スローロー」や「俊足」「アルファ」などと相対する。スローローは巨躯を持つが地を這うことしか出来ず、動きが遅い。ただ一撃必殺らしい。俊足はとにかく足が速い。過去二作で出てきた感染者と一番近い姿をしている。そしてアルファは、レイジウイルスがステロイドのように作用した変異体で、ムキムキマッチョの巨体であり、しかも頭も良い。群れを率いるボスのように指示を出したりもする。立派にぽろりもしている。 そんな彼らを倒したりアルファに追われたりしながら島へと帰るスパイク。外で見かけた炎のことを問うと、どうやら本土には気の狂ってしまった医者が一人で生きているらしい。宴で父親の浮気現場を目撃したスパイクは激昂、病気の母親を連れて島から脱出し本土へと向かう。島には医者がいないため、母親を診せようとしたのだ。座礁した巡視船からやってきたスウェーデンの軍人と行動を共にしたり、俊足の妊婦が産んだ赤子を連れて行ったりしながらスパイクと母は医者を見つける。 しかし医者は母親を癌だと診断。母親もうっすらとそうではないかと思っていたらしい。号泣するスパイクを薬で大人しくさせ、医者は母親を安楽死させる。母親の頭蓋骨を医者がドクロで作った祭壇の一番高い所へ納めるスパイク。医者に別れを告げ、島の入り口に赤子と父への別れの手紙を残し本土へと戻るスパイク。本土で危険と隣り合わせながら一人で生きることを選んだのだ。しかし、そんなに甘くはない。大量の俊足に追われ、行き止まりに追い詰められるスパイク。ここまでか──その時、高台から謎のカラフルなジャージ集団が現れ、アクロバティックなアクションを見せつつ感染者たちを倒してくれる。そしてその集団を率いる男の手には、かつての教会で生き延びたあの男の子が父から託された、ロザリオがあったのだった……。

感想

⭐︎1.0/10.0

ナニコレ?????怒っていい??というより映画が終わった時私は完全に怒っていたけどね?? でもこれ、世間的にはもしかして賛否の賛の方が多い感じですか?filmarksの評価とか読んで愕然としてしまいましたよ私は。感覚のズレがすごい!!
B級……いやZ級のホラーだと思えば笑えることもあったかもしれないですが。ダニー・ボイルですよ?アレックス・ガーランドですよ?どしたの?????

そもそもツッコミどころが多すぎませんか。5週間で餓死するって情報が過去作にありましたよね!!なぜ28年も生きながらえているんですか?食べ物を食べるということを学んで進化したんですか?そうですか……やたらと豊満な感染者はミミズしか食べてなさそうですけどミミズってそんなに栄養があるんですか? それに食文化を得たとしてもせいぜい生食ですよね。え?レイジウイルスによって変容した体には人間の常識は通じない?なるほどそうですか……わかりました……。
ファンタジーとしてそこは飲み込むとして、他にもいろいろ気になる点はあります。スパイクくん、病気の(しかも相当混乱をきたしているであろう)母親を連れて感染者がウヨウヨいる本土に連れてくとか正気ですか?いくら医者がいるかもしれないからって……いくら父親に愛想をつかせたからって……帰ってきた時、アルファに美しすぎるフォームの全力疾走で追われてましたよね??つまりあの頭のいいアルファにはあそこに道があることもその先に人がいることもバレてるんですよ??あまりにも危険すぎませんか??一万歩譲ってどうしても医者に診せたいとしてもよ?医者連れてきたらよくない??ね?? そんで医者もさぁ、アルファの動きを麻酔で止めたんならそこで首元掻っ切って倒したらいいじゃないですか。なぜ仕留めないんだ。名前とかつけて可愛がってるから殺したくないの??でもほら、そんなこと言ってるから襲われちゃったじゃんんん!!!!そして母親よ。いくら癌だと言われたからって、昨日今日会ったばかりの人の診断を信じて命託すとかある??スパイクくんも悲しみに暮れてる間に麻酔打たれてボーッとしてる間にお母さん燃やされちゃってさ。いやもうなんか、色々と信じられなかったですね。
最後のトンチキなジャージ集団といい、一体何を見せられてるの私は??という気持ちでずっと困惑し続きでした。これが3部構成???本当に?真の絶望ってこのことかな?

お願いですからもう過去の看板掲げて好き放題するのやめてください。新しい作品として1からやってください。よろしくお願いします。


と、まぁひたすらにマイナスな感想ばかり書いてるけど、唯一フォローを入れるとすれば……。このシリーズって「レイジウイルス」というのが一番の特徴だと思うんですよね。凶暴性。つまりは怒り。これって別に感染してない人間だって持っているし、その怒りが破滅をもたらす事って往々にあるわけで。スパイクくんもかなり狂っている部類だと思うんだけど、彼の行動を後押ししたのが「怒り」だったのは間違いなく、そういう意味ではレイジウイルスとは?という問い掛けに対するアンサーに見えなくもない。そこに表現したい何かがあるのかもしれないな?とは思いました。まぁそれを思ったところで1ミリも評価は変わらないんですけどね。
序盤のラストでアルファに追われるくだり、あそこだけは少しだけ怖くて良かったです。

おわり。